食品安全情報blog過去記事

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動物飼料としての麻の使用の安全性に関する科学的意見

Scientific Opinion on the safety of hemp (Cannabis genus) for use as animal feed
EFSA Journal 2011;9(3):2011 [41 pp.].
14 March 2011
http://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/2011.htm
麻に由来する飼料用物質としては、麻の実、麻の実ミール/ケーキ、麻の実油、麻粉を含む麻全体の4種類がある。ヨーロッパで栽培が認められている麻は乾燥重量で0.2%以上のテトラヒドロカンナビノール(THC)を含んではならない。ヨーロッパで2006年と2008年に集めた2151検体中の平均は0.075%だった。THCのマウスやラット、イヌでの急性毒性試験における致死量は、動物で典型的な症状を見せる濃度の約1000倍である。THCと精神作用のある代謝物は異なる組織や臓器に分布し、脂肪は標的臓器である。THCとその代謝物は乳中に分泌され経口摂取による移行率は乳牛で0.15%であろう。ヒトでの精神作用はLOEL 0.04 mg THC/kg体重で、不確実係数100を用いてPMTDIは0.0004 mg/kg体重とした。EFSAの食品摂取データベースでの牛乳のP95は成人2L子ども1.5Lで、植物由来飼料についての全てのシナリオでPMTDIを相当量超過する。FEEDAPパネルは動物の飼料用としての全麻由来資材の販売または使用は禁止または制限すべきで、飼料用の麻の実由来資材については10mg/kgの最大THC規制値を導入すべきと助言する。