食品安全情報blog過去記事

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鉛のヒト健康影響

It’s Your Health
The Effects of Lead and Human Health
2011-03-24
http://www.hc-sc.gc.ca/hl-vs/iyh-vsv/environ/lead-plomb-eng.php
鉛は天然に環境中に存在し産業にも多く使用されてきた。しかしながら極微量の鉛でも健康に有害な可能性がある。
背景
誰でも大気や土壌、家庭内ダスト、食品、飲料水、消費者製品などから微量の鉛に暴露されている。環境中の鉛濃度は産業革命によって増加し、1920年代に有鉛ガソリンの導入によってさらに増加した。1970年代からは有鉛ガソリンと鉛入り塗料の使用削減と食用缶への鉛はんだ禁止によりカナダ人の鉛暴露は相当量減った。
鉛暴露による健康リスク
高濃度の鉛への短期暴露は嘔吐や下痢、痙攣、昏睡、死亡などをもたらす。カナダでは重症鉛中毒は希である。
鉛は人体に蓄積するので、微量でも、特に乳幼児には有害である。また妊婦の鉛摂取は胎児の健康に有害である。
長期鉛暴露による症状は気がつかないことがあるが重症である。貧血がよく見られるが脳や神経系への影響もある。他に症状としては、食欲不振、腹痛、便秘、疲労、不眠、いらいら、頭痛などがある。長期反復暴露は腎臓に影響する。
鉛暴露の影響が大きいのは小さな子どもで、有害影響を受けやすい他に何でも口に入れるという習慣がある。妊娠中には特に最後の3ヶ月間に胎盤を通過して胎児に影響する。
暴露源
食品、大気、ダストや土壌、飲料水、塗料の他にアジアやメキシコ産のミニブラインド、精錬所労働者、ガラスや陶器の釉薬、クリスタルガラス、廃油や芯に鉛を含むろうそくを燃やした煙など
リスクを最小化するために
水道水は冷水で使う(温水は鉛が溶けやすい)、古い家は塗料をチェック、家は掃除する、クリスタルガラス容器に食品を長期間入れておかない、海外で購入した陶器は使わない、廃油やカラー印刷された新聞紙などは燃やさない、など。