食品安全情報blog過去記事

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牛肉のホルモン成長促進剤

Hormonal growth promotants in beef
http://www.foodstandards.gov.au/scienceandeducation/factsheets/factsheets2011/hormonalgrowthpromot5128.cfm
ホルモン成長促進剤(HGPs)は牛の体重増加を促進するために使われるエストロゲンのような天然ホルモンやその代替品である。
HGPsはオーストラリアでは30年以上安全に使用されてきており、オーストラリアのウシの約40%に使われ、牛肉業界に年に2億1000万ドルの利益を追加している。
ホルモンは耳の後ろの皮膚に埋植された小さなものからゆっくり低用量100-200日に渡って放出される。オーストラリアではHGPはAPVMAが消費者に安全で動物に害が無く有効であることを確保するために登録、規制している。評価の詳細についてはAPVMAのファクトシートを参照。
Fact and Information Sheets
http://www.apvma.gov.au/publications/fact_sheets/index.php
HGPが安全であるということはどうやってわかるのか?
APVMAは保健高齢化省の公衆衛生基準を反映した安全性評価を行っている。
農業漁業林業省の残留物質調査では2009-2010はオーストラリアの牛肉のHGP残留濃度は100%基準を守っていた。
動物の健康に関するヨーロッパ連合の研究によれば、卵1つに含まれるエストロゲンと同じ量をHGP処理牛肉から摂るためには、一度に牛肉77kg以上を食べなければならない。
何故FSANZが関与するのか?
食事からの暴露量が健康ガイドライン以下であることを確保するために安全性評価に関与する。またAPVMAの設定した最大残留基準を食品基準に取り入れている。
なぜHGPが使われるのか?
ウシが食べた飼料を肉に変える効率を改善し、少ない飼料で早く出荷できるようになる。オーストラリアで使用されているHGPには天然ホルモン(エストロゲンプロゲステロン、テストステロン)と合成ホルモン(酢酸トレンボロン、ゼラノール)がある。
HGPはオーストラリアの他にニュージーランド、米国、カナダ、南アフリカ、日本などの多くの国で使用が登録されている。EUは使用を禁止しHGPを投与したウシ由来の製品は輸入しない。1998年にWTOEUの禁止は科学的に支持されずWTOの義務と矛盾すると裁定したがいまだに禁止され続けている。