食品安全情報blog過去記事

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専門家の反応:福島のレベル7核事故

SMC
Experts respond: Fukushima now ‘Level 7′ Nuclear Incident
April 13th, 2011.
http://www.sciencemediacentre.co.nz/2011/04/13/experts-respond-fukushima-now-level-7-nuclear-incident/
Manchester大学疫学Richard Wakeford客員教授
日本当局がINESレベルを7と暫定的に評価したのは3月11日以降放出された放射性ヨウ素セシウムの量が、チェルノブイリの事故の約10%と推定したことによる。しかしチェルノブイリと違って日本の当局は労働者や住民の放射線暴露量を制限するための対策をとっている。実際のところ、INESのレベル6に分類されている1957年のソビエト連邦でのKyshtym事故のほうが福島で予想される影響より大きい。
注:Kyshtym事故:廃棄物タンクが爆発して740 PBqが放出され、10000人以上の住人が平均実効線量120 mSvの、5000人以上の労働者が最大 1Svの暴露を数時間以内に受けた。30000人ほどのクリーンアップの労働者は1957年から59年の間に250 mSv以上被曝した。
Portsmouth大学環境物理学リーダーDr. J.T. Smith
暫定ランク付けは放出量を反映したものであるがチェルノブイリとは違う。量は1/10で決定的なのは福島では健康保護のための対策がとられているということである。これまで入手できたデータからは福島北西部に相当量の放射性セシウムの汚染があるようで、一部の地域では数十年ほど対策が必要であろう。
Central Lancashire 大学Laurence Williams原子力安全性教授
レベル7と聞いて少し驚いた。日本当局は極めて保守的なラインをとったのだろう。
RMIT大学放射線医療講師Dr Pradip Deb
別々の原子炉の個別評価を総合して再分類したのだろう。これは公衆衛生に追加の害があることを意味しない。チェルノブイリと同じランクでも推定放出量は90%少ない。再分類は特に影響はない。
オーストラリア放射線防護学会フェローDr Don Higson
再分類によってチェルノブイリと同じくらい悪いと思う人がいるかもしれないがナンセンスである。急性放射線障害で入院した労働者はチェルノブイリは134人、1ヶ月以内に死亡した労働者が31人だったが福島ではいない。
Monash大学Dr John Price
レベルが上げられたとはいえ今日何かがおこって昨日より悪化したというわけではない。放出されたのは爆発などがあった最初の一週間で今は減っているだろう。