食品安全情報blog過去記事

はてなダイアリーにあった食品安全情報blogを移行したものです

EurekAlert(http://www.eurekalert.org)より

  • 湿疹の子どもに局所副腎皮質ステロイド(TCS)を使用することに有害副作用はない

Use of topical corticosteroids in children with eczema does not have negative side effects
21st April 2011
http://www.eurekalert.org/pub_releases/2011-04/w-uot041811.php
Pediatric Dermatologyに発表された論文。保護者の局所ステロイドへの恐怖症により子どもの適切な治療が行われないことが多い。シドニーの皮膚炎研究参加92人の子ども達のうち70人はアトピー治療のために十分なTCSを使用し、22人は使わなかった。TCS群の管理は良く、湿疹が出ることはなく、ダーモスコピーによる検査で皮膚が薄くなるという徴候は見られなかった。

  • 最も幸せな場所は最も自殺率が高い

Happiest places have highest suicide rates says new research
21st April 2011
http://www2.warwick.ac.uk/newsandevents/pressreleases/happiness-and-suicide-rates
国毎の比較とアメリカ各地での比較から、住民の幸福度が高いことと自殺率が高いことが関連することを示した。Andrew Oswald教授は周りとの比較でギャップが大きいことが原因なのではないかとしている。
(日本は違うんじゃ?それとも日本人は格差への感受性が高すぎるとか?)

Are dietary supplements working against you?
21-Apr-2011
http://www.eurekalert.org/pub_releases/2011-04/afps-ads042111.php
Psychological Science次号に発表される研究によれば、ダイエタリーサプリメントを良く使用することと健康状態には非対称な関係がある。
文献ではダイエタリーサプリメントの使用率が増加しているが公衆衛生は改善していない。著者らはサプリメントの使用が行動に影響するかどうかを調べた。まず参加者を2角グループに分け、グループAにはマルチビタミンサプリメントを摂ってもらい、対照群にはプラセボを摂ってもらうと説明した。しかし実際にはどちらもプラセボを与えた。その結果、サプリメントを摂っていると信じている群は自分は健康ハザードから守られていると感じてリスクの高い行動をとることがわかった。サプリメント摂取群は運動量が少なく余計食べた。

  • 出生前の農薬暴露と子どものIQの低さが関係する

Prenatal pesticide exposure tied to lower IQ in children
21-Apr-2011
http://www.eurekalert.org/pub_releases/2011-04/uoc--ppe041811.php
EHPの論文3つ
Prenatal Exposure to Organophosphate Pesticides and IQ in 7-Year Old Children
http://ehp03.niehs.nih.gov/article/fetchArticle.action?articleURI=info%3Adoi%2F10.1289%2Fehp.1003185
カリフォルニアの農場のラテン系労働者家族を対象にした調査。子どもは329人。妊娠中の母親の尿中DAP濃度と子どもの7才の時の知能検査の成績に関連がある。子どもの尿中DAP濃度と知能には関連がない。
(グラフからは尿中DAP濃度が一番低い母親の群の突出が全体をひっぱっているようだ。単純に頭脳労働に就いている親の子どもの知能が若干高いだけのように見える。出稼ぎ労働者の学歴では交絡を排除できないのでは。)
Prenatal Exposure to Organophosphates, Paraoxonase 1, and Cognitive Development in Childhood
http://ehp03.niehs.nih.gov/article/fetchArticle.action?articleURI=info%3Adoi%2F10.1289%2Fehp.1003183
Mount Sinaiの妊娠中の母親の尿中有機リン代謝物、血中PON1活性と遺伝子型、子どもの認知機能を調べた。母親の尿中代謝物濃度と子どもが12ヶ月時点での精神機能発達の減少が黒人とヒスパニックで関連していた。

7-Year Neurodevelopmental Scores and Prenatal Exposure to Chlorpyrifos, a Common Agricultural Pesticide
http://ehp03.niehs.nih.gov/article/fetchArticle.action?articleURI=info%3Adoi%2F10.1289%2Fehp.1003160
265人の子どもの臍帯血で推定したクロルピリホス暴露と7才の時の知能検査の結果の関連。
(図をみればこれで影響有りと断言できるのかと思うけどEHPだから)

  • マラリア蚊における合成ホーミングエンドヌクレアーゼをもとにした遺伝子導入システム

A synthetic homing endonuclease-based gene drive system in the human malaria mosquito
Nature:(2011):doi:10.1038/nature09937
http://www.nature.com/nature/journal/vaop/ncurrent/full/nature09937.html
ハマダラ蚊のマラリア耐性を、遺伝子組換え蚊から野生の蚊に拡散させる技術。