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白血病と原子力発電所は関係ない

Natureニュース
Nuclear power plants cleared of leukaemia link
Published online 6 May 2011 | Nature | doi:10.1038/news.2011.275
http://www.nature.com/news/2011/110506/full/news.2011.275.html
がんの多発を調査していた英国の研究者らは放射線が原因ではないと結論
英国の環境中放射線の医学的側面に関する委員会(COMARE)の最新報告書によれば、ドイツで原子力発電所近くに白血病クラスターがあると主張した影響力の大きい研究に疑問を呈している。
原子力発電所近傍では低レベル放射線による子どものがんリスクが増えるという主張は、根拠がほとんど無いにもかかわらず、長く人々を不安にしている。COMARE最新報告では英国の13の原子力発電所近くに住む5才未満の子どものがんについて特に検討した。結果的に有意な関連はなかった。
英国では毎年500人ほどの子どもの白血病が診断されるが、35年に渡る研究で原子力発電所5km以内の5才未満の子どもの白血病はわずか20例だった。数が少ないために測定不能である可能性もあるが影響そのものは小さい。この結果は2008年にドイツでKiKKチームが報告した5km以内では白血病が2倍になるというものとは違う。COMARE最新報告ではKiKKの報告について交絡の評価が不十分であると批判している。
Committee on Medical Aspects of Radiation in the Environment(COMARE)
FOURTEENTH REPORT
Further consideration of the incidence of childhood leukaemia around nuclear power plants in Great Britain.
http://www.comare.org.uk/press_releases/documents/COMARE14report.pdf