食品安全情報blog過去記事

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その他ニュース

  • 特集:ワクチン

Nature
Vaccines
http://www.nature.com/news/specials/vaccines/index.html
ワクチンは世界の公衆衛生の勝利に寄与している。過去に主要死因となる病気に対するワクチンがいくつも導入されさらに現在開発中である。しかし資金難と根拠のない安全性への疑念は続く。Natureは21世紀の医療上の重要な武器が直面している科学的社会的課題について探った。

エディトリアル
近代の英雄達
Modern heroes
Nature Volume: 473,Page:420
Date published:(26 May 2011)
http://www.nature.com/nature/journal/v473/n7348/full/473420a.html
ワクチンの偉大な成果は過去に限らない
ポリオや天然痘など過去の成果も華々しいが今も新たなワクチンが開発されている。
しかしワクチンは自らの成功の犠牲になることもある。先進国でははしかが希になったために保護者による拒否がおこっている。
パキスタンのポリオ、はしかの根絶、等記事あり

安全性の問題
Vaccines: The real issues in vaccine safety
http://www.nature.com/news/2011/110525/full/473436a.html
間違ったワクチンリスクへのヒステリーが、しばしば本当のリスクを覆い隠す
ワクチンには、ポリオ生ワクチンが240万人に一人の割合で免疫系の弱いヒトにポリオを発症するというような実際のリスクがある。不活性化ワクチンのようなより安全なワクチンが開発されているが生ワクチンの方が安く投与が簡単である。
ワクチンの安全性は高いが、病気の怖さがわからない一般の人にはワクチンのリスクのみが強調される。MMRチメロサール自閉症との関係のような虚偽の主張を否定するために多大なリソースが費やされた。ワクチンの安全性を高くすればするほど副作用の検出は困難になるのでサーベイランスは強化されている。しかし日本でHibワクチン接種後に病気になった疑い事例が報告されるとワクチン接種が中断されたが後に関係ないと結論されても一般には不安が広まったように、安全サイドにたつことにもリスクはある。
ワクチンからのチメロサールの排除についても、根拠がないのに排除すると人々は危険でないなら何故排除したのかと考えるし、一方で要求に対応しない政府は信用できないとも言われる。
ワクチンの利益はリスクより遙かに大きいが、病気の記憶が薄れた人々のリスク許容度は低下している。

日和見者に標的を
Target the fence-sitters
http://www.nature.com/nature/journal/v473/n7348/full/473443a.html
近代技術にやや不信のある新米ママのエミリーは今まで聞いたこともない病気についてのワクチンスケジュールを渡され、ネットで情報を探したらワクチンの問題点を指摘するサイトが上位にあった。エミリーはワクチンを拒否すると考えるかもしれない。一般的に先進国のワクチンの接種率は高いが、根拠のない恐怖の話が広がると接種率が下がる。日本では1970年代にDTPでそのような恐慌があり、1979年に百日咳の流行を招き13000人以上が罹患し41人が死亡した。英国の1970年代のDTP騒動では接種率が80%から30%に低下し30万人が罹患し70人が死亡した。
メディアの散発的報道では直ちにワクチン接種率が低下することはない。自分をガリレオになぞらえる自説を主張するカリスマなどが登場するなどして政治問題化する。
政府ができることは三段階。1つはワクチン接種の物理的障害を取り除くこと(受けやすくする)。2つめは現実に利益のある集団にコミュニケーション戦略を練ること。3-7%の完全ワクチン拒否者は手に負えないであろう。エミリーのような、ちょっと心配、というような保護者は、普通ならワクチンを接種するだろうが悪い噂を聞くと遅らせるかもしれない。三番目に専門家の確保。反ワクチン感情は避けられないので対応を準備しておく。

  • 健康的なファストフードメニューは失敗

ABCニュース
Healthy fast food options a failure, says dietic
http://www.abc.net.au/news/stories/2011/05/26/3227388.htm
一部のファストフードレストランで提供されている「健康的な」選択肢はあまり選ばれていない
マクドナルドとサブウェイの1000人以上の顧客に調査したところ健康的な選択肢に興味があるヒトは少なく、健康的メニューを選んだのはたった2.5%だった。学会発表。ファストフードチェーンに行く人は健康的メニューが欲しくて行くのではないと思う、と研究者。