食品安全情報blog過去記事

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限定的健康強調表示

100%乳清タンパク質部分加水分解乳児用ミルクとアトピー性皮膚炎リスク削減
100% Whey-Protein Partially Hydrolyzed Infant Formula and Reduced Risk of Atopic Dermatitis
May 24, 2011
http://www.fda.gov/Food/LabelingNutrition/LabelClaims/QualifiedHealthClaims/ucm256731.htm
2009年5月にNestlé Nutritionから申請のあったミルクの健康強調表示申請。
ネスレの申請は
「乳児の栄養には母乳が最良です。母乳のみで育てられていない乳児にとっては、最新の臨床研究で、アレルギーの家族歴のある健康な乳児に100%乳清タンパク質部分加水分解乳児用ミルクを、普通のウシ乳タンパク質を含むミルクの代わりに与えると、乳児期に最もよく見られるアレルギー性疾患であるアトピー性皮膚炎の発症リスクを、1才までまたは最大3才まで削減するかもしれません。
部分加水分解ミルクは既存のアレルギー症状を治療するためのものではありません。もし赤ちゃんが既にミルクアレルギーであることが疑われたり、既にアレルギー治療用のミルクを与えている場合には医師の指示に従って下さい。」
FDAが認めたのは
「母乳のみで育てられていない、アレルギーの家族歴のある健康な乳児に100%乳清タンパク質部分加水分解乳児用ミルクを普通のウシ乳タンパク質を含むミルクの代わりに、生後4ヶ月まで与えることは、アトピー性皮膚炎の発症リスクを、1才までまたは最大3才まで削減するかもしれないということを示唆する極めて少ない科学的根拠がある。(あるいは科学的根拠はほとんど無いlittle またはvery little)
部分加水分解ミルクは既にミルクアレルギーのある乳児に与えてはならない。アレルギーが疑われる、あるいはアレルギー治療用のミルクを与えている場合には赤ちゃんの世話やミルクの選択は医師の監督下で行われるべきである」

(普通に読むと効果はないんだなという文なのだけれど企業のプレスリリースはまるで全面的に効果があることが認められたとでも言わんばかり。多分これは消費者が長い文章をきちんと読んで意味を理解するなどという面倒なことはしないだろうと考えての印象操作なのだろう。
FDAが初めて乳児用ミルクに限定的健康強調表示を認めた
FDA grants first-ever qualified health claim in infant nutrition
26-May-2011
http://www.eurekalert.org/pub_releases/2011-05/pcp-fgf052611.php