食品安全情報blog過去記事

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食品中にゼアラレノンが存在することに関連する公衆衛生リスクについての科学的意見

Scientific Opinion on the risks for public health related to the presence of zearalenone in food
EFSA Journal 2011;9(6):2197 [124 pp.].
21 June 2011
http://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/2197.htm
ゼアラレノンはフザリウム属の数種が産生するカビ毒で、トウモロコシによく見られるが小麦や大麦、ソルガムライ麦など他の作物からも検出される。欧州委員会はEFSAに、ゼアラレノンの安全性についてのレビューと、朝食シリアルの最大規制値(ML)を引き上げた場合の消費者のリスクについてレビューを依頼した。評価には19か国の2005-2010年の食品についての合計13075、未加工穀物の9877検体の検査結果を用いた。最も高濃度が報告されているのは小麦ふすまとトウモロコシおよびトウモロコシ製品であった。ゼアラレノン暴露に最大の寄与があるのは穀物穀物ベースの食品で、ほかに植物油も大きく寄与する。
ゼアラレノンの最も重大な影響はエストロゲン活性である。最も感受性の高い動物、ブタ、での最新の結果とヒトとの比較から、CONTAMパネルはTDIを0.25 microg/kg体重に設定した。推定暴露量は全ての年齢集団でTDIより少なく、健康上の懸念とはならない。朝食シリアルの規制値を50 µg/kg から 75、100、125 または150 µg/kgに引き上げた場合でも暴露量がTDIを超過することはなさそうだ。ML濃度のゼアラレノンを含む朝食シリアルを毎日2-4週間食べる最悪シナリオではTDIを超過するかもしれない。