食品安全情報blog過去記事

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健康強調表示 EFSAの意見に対するコメント

Health Claims - Comments to the Commission on EFSA's opinions
http://ec.europa.eu/food/food/labellingnutrition/claims/comments_efsa_en.htm
ダノンとヤクルトの反論に対してEFSAが回答している

  • ヤクルト

http://ec.europa.eu/food/efsa/comments/efsa_reply_q2010_00137.pdf
EFSAが2010年10月にヤクルト菌の摂取と免疫強化により病原体から上気道を守ることの因果関係は確立されていないという意見を発表し、ヤクルトや専門家から意見が提出されていたが、その意見による結論の変更はない。
ヤクルトから提出されたコメントの指摘したデータは既に評価に使用されている、効果を示すとされたデータの脱落者が適切に考慮されていない、など。ヒトで上部気道感染の抑制が示されていない以上、NK細胞が活性化されるとかいったメカニズムの可能性という論文をいくら出しても効果があることの証明にはならない。

  • ダノン

http://ec.europa.eu/food/efsa/comments/efsa_reply_q2009_776.pdf
EFSAが2010年11月に、ダノンの Actimel®摂取と毒素削減によるC. difficileによる下痢リスク削減の因果関係は確立されていないという意見を発表し、ダノンや専門家から意見を受け取ったが、それらの意見は結論を変更しない。
コメントで指摘されているデータは既に評価に使用されている、病院では効果がないのに自宅では効果があるという報告は違う容器を使うなどの盲検が不十分なためのバイアスと考えられる、など

(これでプロバイオティクスの健康強調表示が認められる可能性はほぼ無くなった。「お腹の調子を整える」が認められるのは先進国では日本だけ、という状況に。)