食品安全情報blog過去記事

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ヒ素分析の新しい可能性

New possibilities for arsenic analysis
04.07.2011
http://www.evira.fi/portal/en/food/current_issues/?bid=2609
EVIRAの化学および毒性研究ユニットがコメの各種ヒ素を識別する分析法を開発した
新しい方法を用いて、食品中によく見られる5種類のヒ素化合物を分離することができるようになった。5種類とは3つの有機ヒ素と無機ヒ素2種、ヒ素とヒ酸である。
ヒト健康にとって最も健康ハザードとなる可能性があるヒ素の種類は、無機のヒ酸と亜ヒ酸である。分析法は初めに無機ヒ素濃度が高いことがわかっているコメを対象に開発された。無機ヒ素は肺、皮膚、膀胱のがんを誘発する。EFSAによれば無機ヒ素濃度の高い食品を大量に食べる消費者の「安全性マージンは狭い」。
2つの機器を組み合わせた新しい方法
新しい方法はHPLCICP-MSを組み合わせたものである。
ヒ素はほぼ全ての食品に低濃度存在する半金属で、通常食品には何ダースもの異なるヒ素化合物が含まれる。フィンランドで販売されているコメのヒ素濃度についての調査結果は今年後半に発表されるだろう。
EUは1993年に設定されたWHOの飲料水基準10 microg/Lを採用している。食品については現在ヒ素または無機ヒ素の基準は設定されていない。EFSAなどの専門家によれば、食品中の無機ヒ素や消費者の暴露量についてはさらなる研究が必要である。
EVIRAはコメ以外にも魚介類や他の穀物などの無機ヒ素濃度分析法を開発する計画である。