食品安全情報blog過去記事

はてなダイアリーにあった食品安全情報blogを移行したものです

その他ニュース

  • ナノ物質を定義するな

Don't define nanomaterials
Natureニュース
Nature Volume: 475,Page:31 Date published:(07 July 2011)
Andrew D. Maynard
http://www.nature.com/nature/journal/v475/n7354/full/475031a.html
科学的根拠の無い用語に基づく規制は害の方が大きい
5年前は私は人工ナノ物質の規制上の定義の支持者だった。でも意見は変わった。政策立案者が「ナノ規制」のための明確な定義を探しているうちに科学が排除される危険性が大きくなってきた。
ナノ物質に予期せぬリスクがある可能性があるとみなすことは理にかなっている。一部のナノ物質の挙動がサイズの違うものとは違うことを示す研究はたくさんある。例えば広く使われている普通は無害な二酸化チタンは、粒子サイズが小さくなれば毒性が高くなる。ナノサイズの二酸化チタンはNIOSHによりヒト発がん性の可能性があるものに分類されている。
しかし粒子の形や穴、表面面積、化学的性質などサイズ以外のたくさんのパラメーターがリスクを変えることも明らかになってきた。これらのパラメーターのいくつかは大きさより重要であるがつねにそうであるとは限らない。「従来型」から「非従来型」に移行するのはその物質や状況による。ナノ物質の「万能」定義はリスクにとって何が重要かを把握することはできない。
(以下長いので略。ナノリスクの第一人者であるMaynard氏の意見はよんでおいた方がいいと思うよ。リスクは総合的判断が必要なのだからナノだけ取り上げてどうこういうのは無意味だと)

  • ジェミー・オリバーの健康運動は学校で提供される食事を食べる生徒の数を減らした

Jamie Oliver health crusade leads to fewer pupils eating school meals
Daily Mail
8th July 2011
http://www.dailymail.co.uk/news/article-2012340/Jamie-Oliver-health-crusade-leads-fewer-pupils-eating-school-meals.html?ito=feeds-newsxml
Jamie Oliver によるTurkey Twizzler追放運動は5億ポンドの税金を使って学校ランチを食べる生徒の数を減らした。

もとの発表はこちら
より多くの家庭が健康的な学校給食を選んでいる−節約にもかかわらず
More families choose healthy school meals - despite tightening belts
Thu, 7th Jul 2011
http://www.schoolfoodtrust.org.uk/news-events/news/more-families-choose-healthy-school-meals-despite-tightening-belts
2009-10年の調査と比べて2010-11年の調査では約10万人増加という報告

(Daily Mailの主張は新しい制度が導入される前の数値44.9%と2011年の44.1%を比較。
どう読むにせよ一部の人達が熱狂的に支持している「健康的な食事」とやらは肝腎の子ども達にはいまひとつ評判は良くないように見える)

  • 低アレルギー犬は他の犬よりアレルギー性が低くはない

Study: Hypoallergenic dogs not less allergic than other dogs
7-Jul-2011
http://www.eurekalert.org/pub_releases/2011-07/hfhs-shd070711.php
American Journal of Rhinology and Allergyに発表された論文。低アレルギー犬はアレルゲンが少ないという主張には科学的根拠はない。
アメリカンケンネルクラブがそういう主張をしているようだ。日本ではあまり聞いたこと無い。)