食品安全情報blog過去記事

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その他ニュース

  • 汚染物質の先天性欠損症における役割が明確になる

Natureニュース
Pollutants' role in birth defects becomes clearer
Published online 18 July 2011 | Nature | doi:10.1038/news.2011.423
http://www.nature.com/news/2011/110718/full/news.2011.423.html
神経管欠損と多環芳香族炭化水素濃度が関連
中国の研究者らによれば胎児の時にある種の有機汚染物質に暴露された赤ちゃんは神経管欠損リスクが高い。2005年から2007年に神経管欠損で生まれた新生児や胎児80人の胎盤のPAHやその他の汚染物質の濃度を測定し、健康な対照者50と比較した。その結果PAH濃度が平均の597 ng/g脂質以上の場合、欠損リスクが4.5倍で、PAHの濃度が上昇するとリスクも増加し11倍以上になった。用量相関性があることが重要。胎盤中PAHの由来は受動喫煙か室内で使われる石炭ストーブによる可能性がある。この問題は中国に限らず、多くの途上国で屋内空気の汚染が問題である。
論文はPNAS。

  • スポーツドーピング:ついていくだけで精一杯のレース

Natureニュース
Sports doping: Racing just to keep up
Published online 15 July 2011 | Nature 475, 283-285 (2011)
http://www.nature.com/news/2011/110715/full/475283a.html
反ドーピング研究者は詐欺師を見つける新しい方法を模索中。生物学的パスポートがスポーツに役立つか?
自転車競技の世界では生物学的パスポートという個人の血液検査などの情報を継続して記録し薬物の使用による生化学的変化を確認する方法が導入されている。しかしこれも問題点がある。

  • GM活動家がドイツの試験農場を破壊

Science Insider
Anti-GM Attacks Destroy German Test Plots
15 July 2011
http://news.sciencemag.org/scienceinsider/2011/07/anti-gm-attacks-destroy-german-t.html?ref=hp
7月9日の夜、反ダースの覆面攻撃者がRostock近傍の試験場で警備員を襲い、カビ耐性の小麦とプラスチック用ポリマー産生ジャガイモを作っていた畑を破壊した。この畑はドイツ政府によるGM作物の効率的検査システム開発研究の一環だった。その2日後の夜には、Üplingenの展示用施設の警備員を、1ダースの攻撃者がトウガラシスプレーとバットで襲った。彼らはジャガイモの畑を破壊し、小麦とトウモロコシを踏み荒らした。被害額は25万ユーロで、容疑者は捕まっていない。
地元の政党のスポークスマンはこの攻撃を「理解できるが支持しない」と述べた。
活動家は昨日オーストラリアでもGM作物の畑を破壊した。
(テロを理解するという国で何ができる?)

オーストラリアの件は
破壊者が遺伝子組換え小麦の試験場を攻撃
Vandals Attack Transgenic Wheat Test Plot
15 July 2011
http://news.sciencemag.org/scienceinsider/2011/07/vandals-attack-transgenic-wheat-.html?ref=hp
7月14日深夜過ぎ、白い防護スーツを着た3人の女性活動家が電動草刈り器を振り回してキャンベラのCSIROの農業試験場に押し入った。彼らは数百の遺伝子組み換え植物を攻撃し、勇姿を自ら写真に撮った。グリーンピースが自分たちがやったとプレスリリースした。
彼らが破壊したのはCSIROが過去13年間に渡って開発してきたもので、収量が多かったり窒素代謝が効率的だったり血糖値を上げにくいものだったりする。

  • 警告:止められない習慣

Warning: a hard habit to break
The Lancet, Volume 378, Issue 9787, Page 200, 16 July 2011
WHOの2011タバコ流行報告書について。
毎年600万人近くがタバコ関連で死亡していて、2030年には800万人になると予想されている。思い切った対策が必要で、アイスランド議会はSiv Fridleifsdottir保健大臣提案によるタバコの一般販売禁止を検討している。

Complementary Medicine
The Evidence So Far
http://www.quackwatch.org/08Misc/ernst_cam.pdf
Edzard Ernst教授の1993-2010年の仕事のまとめ
英国のCAMの総説になっている
・12年間で1000ほどの論文をピアレビューのある医学雑誌に発表
・世界中の20以上の研究グループと共同研究
・効果が証明されているもの、いないものを同定
・安全性について検証。
(立派な業績としか言いようがない。補完代替医療の何百年とかいう歴史やたくさんの「主導者」がいて、Ernst教授一人の仕事にかなわないというその事実だけでも雄弁に事実を物語っている。)