- 葉酸を摂るのは愚かなことなのか？
ScienceNOW
Is It Folly to Take Folic Acid?
14 September 2011
http://news.sciencemag.org/sciencenow/2011/09/questioning-folic-acids-fetal-be.html?ref=hp
妊娠したい女性には世界中の医師が葉酸サプリメントの摂取を薦めている。これは妊娠中に葉酸欠乏だと重大な先天性障害のある赤ちゃんが生まれる可能性が増えるからだ。しかし新しいマウスの実験では葉酸サプリメントはそれ自体が時に先天障害や胎仔の死亡を引き起こすことが示された。しかしながら専門家はこの齧歯類での実験結果は現在の医学的実践を変更するには時期尚早で、さらなる研究が必要であると注意している。
コロラド大学の研究者らは遺伝的に神経管欠損の胚を作るマウスに葉酸を与えたところ5つの系統のうち3系統で葉酸投与により先天障害が悪化した。
Folic acid supplementation can adversely affect murine neural tube closure and embryonic survival
Amber Marean et al.
Hum. Mol. Genet. (2011) doi: 10.1093/hmg/ddr289
http://hmg.oxfordjournals.org/content/early/2011/06/21/hmg.ddr289.abstract
（かなり特殊な条件なので多分ヒトには影響しないだろうが）
- 科学者が裁判に：責任はあるか？
Natureニュース
Scientists on trial: At fault?
Published online 14 September 2011 | Nature 477, 264-269 (2011)
http://www.nature.com/news/2011/110914/full/477264a.html
2009年のイタリアの地震で300人以上が亡くなった件で科学者らが殺人罪で裁判にかけられている。
学会などは被告を支持する声明を発表している。一方検事らは地震が予知できないのは知っている、そうではなくて科学者らが適切にリスク評価をして住民に伝えていたかを問題にしている、といっている。
裁判の結果は数ヶ月あるいは何年もかかるかもしれないが、この事件はすでにリスク評価とパブリックコミュニケーションの厳しい事例研究になるとみなされている。将来の火山の噴火や地震などの災害や台風や干ばつなどの気候に関しても同じことが起こりうる。この裁判は既に科学者の公のために経験を生かす意思を冷やしている。「ジャーナリストや人々が私の意見を求めたとき、これまでは話していたが、もうこれからは話さない」と。
（長い記事。科学者の確率論的用語をジャーナリストが理解しないまま報道しても科学者のせいにされてしまう可能性とかいろいろ。）
ILSI
Workshop on MCPD- and Glycidyl Esters in Food Products
Brussels, Belgium, 11/9/2011 - 11/10/2011
http://www.ilsi.org/Pages/ViewEventDetail.aspx?PID=277
2009年に最初に開催されたワークショップの2回目。
毒性学については特に目新しい知見はなかったが分析については相当な進歩があった。その結果対策法についても進歩があった。ワークショップの結果は雑誌やニュースレターに発表される。
