食品安全情報blog過去記事

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NIHの出資した研究でビタミンEサプリメントが前立腺がんリスクを増加させることが示された

NIH-funded study shows increased prostate cancer risk from vitamin E supplements
Tuesday, October 11, 2011
http://www.nih.gov/news/health/oct2011/nci-11.htm
セレンとビタミンEがん予防試験(SELECT)データの更新レビューによれば、ビタミンEを毎日400 IU摂っている男性は、プラセボを摂っている男性より前立腺がんが多かった。この知見は、男性1000人あたりで、ビタミンEサプリメントのみを摂っている群の7年間における前立腺がんが76例に対してプラセボ群は65例と、1000人あたり11例多かった。これは17%のリスク増加となる。この差は統計学的に有意であり、偶然ではなさそうだ。JAMAに10月12日号に発表された。
国際研究ネットワークであるSWOGが、米国、プエルトリコ、カナダの400以上の病院でSELECT試験を行っている。SELECT試験はNIHのNCIなどが資金を提供している。
これらの結果と、ビタミンEを使った大規模心血管系研究の結果から、ビタミンEサプリメントにはメリットがなく現実的リスクがあることから、一般男性がSELECTで使用した量のビタミンEサプリメントを摂る理由はない。
SELECTは2001年に始まって35000人以上の男性が参加している。初期の研究でビタミンEやセレンが前立腺がんリスクを削減する可能性が示唆されたために行われたが、2008年のモニタリングで効果がないことが明確だったので参加者にはサプリメント摂取の中止を求めた。2010年に研究場所が閉鎖され参加者は郵便で健康を監視している。この最新結果をもとに、研究者は全ての参加者にさらに長期のフォローアップ研究への参加を呼びかけている。
Vitamin E and the Risk of Prostate Cancer
http://jama.ama-assn.org/content/306/14/1549.short
(ビタミンEって直接謳ってなくてもいろいろなサプリに添加されている)

同じくJAMAから
Folic Acid Supplements in Pregnancy and Severe Language Delay in Children
JAMA. 2011;306(14):1566-1573
http://jama.ama-assn.org/content/306/14/1566.short
ノルウェー前向き母子コホート研究。子どもが3才の時点でのフォローアップ。
38954人の子どもたちのうち204人(0.5%)に重症言語発達遅滞があった。母親が妊娠初期に葉酸サプリメントを摂っていたことは3才時点での重症言語発達遅滞リスクの低下と関連した。