食品安全情報blog過去記事

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科学に見落としの余地はない

No room for a slip up in science
Terrence Collis
Monday, 17 October 2011
http://blogs.food.gov.uk/science/entry/go_bananas
放射線の測定単位にバナナを使うというアイディアは月曜日の午後に少し私の頭に浮かんだが、このBBCの記事は面白い読み物だ。
バナナ8万本(注:元のBBCの記事では8000万本)は致死量の放射線量だと知っていましたか?バナナ400本は胸部エックス線一回分と同じことは?これを読んで疑問がたくさん浮かんだ−私はバナナを食べないといけないのだろうか?それともバナナのそばに座っているだけでいいのか?もし食べるならどれだけ早く食べればいいのか?私はバナナは好きではないので考えただけで胸焼けがする。木曜日に発表される食品や環境中の放射能に関する報告書をバナナ単位に書き直さないといけないのだろうか?
しかしそんな驚くべき数字とは別に、この話は2つの価値あることを再確認させる。最初に、我々は放射線を怖いものだと考えているとしても、それは環境中に普通にあり、従って「危険かどうかは量による」ということを示す。たいていのものは十分な量があって初めて危険になる。
自分で記事を読むことをお勧めする、そして今週後半にはAndrewがいくつかの科学的説明をするだろう。

  • 数字で考えよう:バナナが放射線について話すこと

BBC
Go Figure: What bananas tell us about radiation
13 October 2011
By Michael Blastland
http://www.bbc.co.uk/news/magazine-15288975
3月の日本の福島原子力発電所の事故と東京でのホットスポット検出で放射線に関する懸念が生じている。 Michael Blastlandが連載しているコラムで、普通のことばで放射線を考えるとどうなるかを尋ねる。
.バナナ等価線量(Banana Equivalent Dose ; BED)へようこそ。
放射線の生物学的影響は通常シーベルトで表現される。1シーベルトはあまりにも大きい数字だが、0.1 マイクロシーベルトは概ねバナナ1本を食べることによる被ばく量と同等である。そこで基本的単位としてバナナを使う。
以下表
誰かと一緒に寝ると0.5バナナ、歯のエックス線で50バナナ、福島タウンホールに事故後2週間いた場合の総被ばく量1000バナナ、マンモグラフィー4000バナナ、といった数字。
バナナ等価線量が気に入らないヒトもいるだろう。けれどこれが有用な理由は、ひとつは放射線はありふれたものであるということを再確認することである。次に我々はバナナを一本食べても死なないことを知っている。有害か安全かを決めるのは量であることを確認する。三つめは、致死量の放射線被曝である2千万本のバナナを食べることを考えると、放射線以外の理由で死んでしまうだろうということである。
バナナに例えることで放射線の健康リスクを些細なことにしてしまうつもりはない。厳密に言えばイオン化放射線はヒトの細胞を傷つけ、些細なことではない。米国NCIは米国で使われているCTスキャンだけが原因で29000人ががんになると推定している。しかしものごとを計る方法は我々の考え方を変えることがある。胸部CTスキャン一回は広島の原子力爆弾の爆心地から1マイルちょっとのところにいるのと同じで7万本のバナナを食べることと同じである。どれが悪そうだろう?リスクへの態度は感情や文化などが深く絡む複雑なものである。たとえば恐怖は簡単には定量化できない。
(いろいろ略してあるので本文参照)