食品安全情報blog過去記事

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科学は信頼構築に重要であるが、絶対的ではない

Science is key to building trust, but it's not an absolute
Andrew Wadge on 18 October 2011
http://blogs.food.gov.uk/science/entry/science_is_key_to_building
先週私はEFSAで独立性と科学的意思決定と、これらを使ってどのようにして英国の食品の安全性について信頼を構築するかについて話すことを依頼された。この問題について話機会を与えられたことはFSAでの我々の成功が認められたということである。
私が強調したかったことのひとつは、信頼構築には科学が重要であるが、科学そのものがしっかりしたもので信頼されている必要があるということである。科学がリスク評価における信頼のしっかりした基礎となる理由は公開性である。科学者は方法や結論をピアレビューによって吟味されその見解に価値があると認められるためには公開のもとで精査される必要がある。
我々は複雑な科学の背景を全て理解することができなくても、例えば食品中のダイオキシン汚染のリスクなど、それを理解している人が精査できるよう方法が公開されていることが我々を安心させる。しかし科学は絶対ではないことを認識することも重要である:我々はどんなものであろうと100%安全だと言うことはできないし科学が安全性を証明することは決してできないだろう。しかし我々は科学を使ってリスクを評価し推定することができる−そして重要なのは不確実性と多様な意見を認めることである。そしてあなたが私のこれまでのblogで見てきたように、私はそれを歓迎する。
科学における信頼構築には多大な努力が支払われてきたが、我々は科学の不確実性を指摘して政治的経済的理由で(理由が明確にされない限り)科学的根拠を無視すべきではない。例えばある種の製品へのビスフェノールAの使用禁止は科学的根拠だけでは正当化できない。常に不確実性はあるが、意思決定はリスクに基づいてなされるべきである。他のアプローチを使うことは全体としての科学的プロセスへの信頼を損なう危険性がある。