食品安全情報blog過去記事

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論文など

  • 蛇とヒトの「軍拡競争」

ScienceNOW
An 'Arms Race' Between Snakes and Humans
12 December 2011
http://news.sciencemag.org/sciencenow/2011/12/an-arms-race-between-snakes-and.html?ref=hp
1973年3月13日の夕方、フィリピンの藁葺き小屋にアミメニシキヘビが滑り込んで4才の女の子と3才の男の子の2人を殺した。帰宅した父親がナイフで蛇を殺したため三番目の子どもは助かった。これは1990年代までルソン島に住んでいたフィリピンの狩猟採集民族であるAgta Negritos族の蛇による攻撃のエピソードの1つである。Agta族の成人へのインタビューによる新しいデータは蛇は単なる希な厄介者ではなかったことが明らかになった。蛇は餌であり捕食者であり競争相手であった。
PNASに発表された論文はヒトを含むほ乳類と蛇の関係が相互の進化に影響を与えたことを示す
Hunter–gatherers and other primates as prey, predators, and competitors of snakes
http://www.pnas.org/content/early/2011/12/06/1115116108
(たまには食べることの大変さを思い出したらいいと思う)

  • 小児がん生存者の化学療法や放射線曝露はその子どもたちの出生異常リスクを上げない

Childhood cancer survivors' exposure to chemotherapy, radiation does not increase risk of birth defects in their children
12-Dec-2011
http://www.eurekalert.org/pub_releases/2011-12/asoc-ftb121211.php
大規模後ろ向き研究の結果、かつて精巣や卵巣も含めて放射線治療をうけたりアルキル化剤による化学療法を受けたりした小児がん患者の子どもは、そのようながん治療を受けていない人達の子どもと比べて出生異常リスクの増加は見られないことがわかった。この知見は小児がんの治療について心配している人達を安心させるもので家族計画にも役立つ。
1970年から1986年に小児がんと診断された2万人以上の治療とその結果を調べたChildhood Cancer Survivor Studyのデータを用いた研究。小児がん5年生存者男性1128人、女性1627人の合計4699人のデータを解析した。全体として遺伝子傷害作用のある放射線と化学療法を受けた母親から生まれたこどもに何らかの先天性障害のある率は2.7%(129人)、そのような治療はうけていないがん患者の子どもの先天性障害のある率は3.5%だった。男性ではそれぞれ1.9%と1.7%で、親の放射線や化学療法による影響は見られなかった。
(親の世代の変異や間違いがいちいち引き継がれていたら人類なんてとっくに絶滅してると思うけど。)