食品安全情報blog過去記事

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辛すぎるのは健康的ではない−カプサイシン濃度が極めて高い食品は健康に障害を与え得る

Too Hot Isn’t Healthy - Foods with very high capsaicin concentrations can damage health
http://www.bfr.bund.de/cm/349/too-hot-isnt-healthy-foods-with-very-high-capsaicin-concentrations-can-damage-health.pdf
カプサイシンはトウガラシなどに含まれる辛味成分である。カプサイシン、ジヒドロカプサイシン、ノルジヒドロカプサイシンなどをカプサイシノイドと呼ぶ。カプサイシノイドのうち2/3から3/4がカプサイシンである。ドイツでもカプサイシノイド濃度の極めて高い激辛ソースが販売されているためBfRがこの種の食品の健康リスクを評価した。
アフリカやアラブ、南アメリカやアジアの伝統料理などを含むトウガラシやそれらを含むきわめて辛い料理は国際的に認められている食べ方では急性の健康影響はない。しかしながら不耐症やアレルギーは知られている。伝統的に認められている辛さの程度では成人の一食あたりのカプサイシン摂取量は最大5 mg/kgと推定する。これは体重60kgの成人なら一食あたり300mgのカプサイシンに相当する。
極めて大量にトウガラシを食べた場合には重大な健康影響が観察されている。粘膜刺激や吐き気、嘔吐、高血圧などの影響が記述されているが影響のあるカプサイシノイドの用量はわからない。特に子どもは感受性が高い可能性がある。文献には小さい子どもが辛いものを食べて重症の中毒になった事例が報告されている。
入手できるデータから、BfRは1kgあたり100mg(0.1%)以上のカプサイシンを含むトウガラシやソースはその旨を表示すべきで、子どもが開けられない容器を使うべきである。また食品安全機関は6000mg/kg以上のカプサイシン濃度の製品についてはケースバイケースでチェックして安全な食品とみなせるかどうか確認することを薦める。
消費者には激辛製品を大量に食べることには注意するよう助言する。家庭では辛いチリソースなどは小さい子どもの手の届かないところに保管すべきである。
(タバスコで100-300 mg/kg、チリパウダーで1000-3000 mg/kgのカプサイシン