食品安全情報blog過去記事

はてなダイアリーにあった食品安全情報blogを移行したものです

その他ニュースなど

  • 研究はヒ素ベースの生命の存在に疑問

Natureニュース
Study challenges existence of arsenic-based life
20 January 2012
http://www.nature.com/news/study-challenges-existence-of-arsenic-based-life-1.9861
オープンサイエンスの支持者は議論のある知見を再現できなかった
Scienceに2010年に発表された結果を再現しようとしていた研究者によれば、モノ湖で見つかった奇妙な細菌はDNAのリンをヒ素に置換できなかった。
仮名dのブリティッシュコロンビア大学微生物学者Rosie Redfieldらのチームは、Redfieldのブログにデータを投稿し、問題の論文に対する「明確な反証」であると述べている。DNAにはヒ素は全くとりこまれなかった。
しかしもと論文の著者Felisa Wolfe-Simonは全く主張を変えていない。
RedfieldらはScienceに投稿を予定している。

Radioactive material stolen in Egypt
20 January 2012
http://www.nature.com/news/radioactive-material-stolen-in-egypt-1.9867
エジプトの地中海沿岸にあるEl Dabaa原子力発電所の実験室からマイクロキュリーレベルの校正線源である低レベル放射線源が盗まれた。

  • 強力な農薬を配備する

Deploying a Powerful Pesticide
Frederick R. Davis
Science 20 January 2012: Vol. 335 no. 6066 p. 288
David Kinkelaによる本「DDTアメリカの世紀:世界の健康、環境政策、そして世界を変えた農薬(DDT and the American Century  Global Health, Environmental Politics, and the Pesticide That Changed the World)」の書評
50年前に見境のない農薬使用を批判して議論を呼んだRachel CarsonのSilent Springが発表された。この本はアメリカの環境運動を刺激し1972年に米国でのDDTの使用を禁止に導いた。ここ10年、Carsonの遺産と彼女のDDT廃止に果たした役割について、世界中のマラリア犠牲者の命を奪ったという激しい批判が行われるようになった。一方でDDTの復帰による生態系への影響を心配する人達もいる。
DDTに関する議論の深い歴史的背景を理解するにはこの本を読むといい。歴史家のKinkelaは、Henry Luce の“American Century”という概念を用いて、アメリカが世界中の健康への脅威をコントロールするのに中心的役割を果たすという文脈でDDT緑の革命と昆虫由来疾患対策にとって必須のツールだったことを説明する。
1942-3年のイタリアナポリでのチフスの制御と第二次世界大戦後のサルジニア島でのマラリアの制圧成功、1940年代のメキシコ農業における緑の革命などがあって人道目的で害虫駆除が指向された。同時に環境影響への懸念も増加していたが、病気を根絶したいと望む善意の支持者はそのような懸念を無視した。Silent Springはそのような背景で出てきた。しかしCarsonはDDTの禁止を主張したのではなく賢明な使用を主張したのだ。
Silent Springの後、アメリカの立法者はDDTの農業と公衆衛生への役割について議論した。環境への懸念からアメリカでDDTが禁止された後も海外では使用が拡大し、アメリカの対応は世界におけるアメリカのプレゼンスの低下をもたらしAmerican Centuryという信仰を損なった。

  • インフルエンザ研究者らが一部のH5N1インフルエンザの研究を一時中止し世界会議を求める

ScienceInsider
In Dramatic Move, Flu Researchers Announce Moratorium on Some H5N1 Flu Research, Call for Global Summit
20 January 2012
http://news.sciencemag.org/scienceinsider/2012/01/in-dramatic-move-flu-researchers.html?ref=hp
39人の研究者が「この研究のメリットとリスクを最少化するための対策について明確に説明する必要があることを認識している。議論に必要な時間を提供するために60日間の自主的中断に合意した」とScienceとnatureに声明を発表。
Pause on Avian Flu Transmission Research
http://www.sciencemag.org/site/feature/data/hottopics/biosecurity/Fouchier.Express.pdf
賛否両論紹介

  • 毒性学の専門家Allan Felsotが工業用化学物質が公衆衛生や食品の供給に利益を与えていると言う

E&ETVのビデオ
Toxicology expert Allan Felsot says industrial chemicals benefiting public health, food supply
Wednesday, January 18, 2012
http://www.eenews.net/tv/transcript/1460
OnPointというテレビ番組でワシントン州立大学のAllan Felsot環境毒性学教授が農薬についてのインタビューに答える。そのビデオと筆記。

  • 大きな科学の不正

Time
Great Science Frauds
Alice Park
January 12, 2012
http://healthland.time.com/2012/01/13/great-science-frauds/#scientist-rogues-gallery-2
赤ワイン研究のDipak Das、ワクチンと自閉症のAndrew Wakefield、韓国の幹細胞研究者Woo Suk Hwang、乳がん治療法のRoger Poisson、ノーベル賞受賞者David BaltimoreとThereza Imanishi-Kari、ピルトダウン人のCharles Dawsonなどを取り上げている

  • キレート療法の使用と誤用

The Use and Misuse of Chelation Therapy
http://www.chelationwatch.org/basic/acmt_course.pdf
The American College of Medical Toxicologyが2012年2月29日、アトランタで「キレート療法の使用と誤用」という会議を開催する
「インターネットで販売されている未承認キレート製品」「自閉スペクトラム疾患へのキレート療法の濫用」という演題もある

  • 警察が新しいストリートドラッグに警告

Police issue warning about new street drug
http://www.meridianbooster.com/ArticleDisplay.aspx?e=3445111
カナダ西部でエクスタシー関連の数件の死亡が報告され、サスカチュワン連邦警察Saskatchewan RCMPが警告を発表した。過去6ヶ月間の5件のエクスタシー関連死亡がパラメトキシメタンフェタミン(PMMA)と関連することが報告された。さらにアルバータでPMMA入りのエクスタシーによる類似の事例がいくつか報告されている。ストリートでドラッグを購入している人達が自分たちが何を買っているのか誤解するのは簡単だ。PMMAは通常のエクスタシーより5倍毒性が高く、興奮性は低い。PMMAの犠牲者は14才から37才の男女。