食品安全情報blog過去記事

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プレスリリース:未承認ハーブレメディは肝臓や臓器に傷害を与える可能性がある

Press release: Unlicensed herbal remedy could cause liver and organ damage
01 February 2012
http://www.mhra.gov.uk/NewsCentre/Pressreleases/CON143514
MHRAはフキ(Petasites hybridus)を含む未承認ハーブ製品が英国内で販売されていることを知り、英国ハーブ業界に市場から製品を排除するように通知した。
蕗(バターバー)は偏頭痛や花粉症の治療に良く用いられ、重大な肝障害や臓器不全を誘発するピロリジジンアルカロイド類(PA)を含む。
英国では蕗を含む登録製品はなく、多くのヨーロッパ諸国では蕗の販売は禁止または制限されている。英国ではこれらの製品による有害事象報告はないがヨーロッパでは肝障害の事例が報告されている。これらの製品を使用しているヒトは使用を中止し、心配があれば医師または薬剤師に相談すること。

  • 消費者は未承認バターバー(Petasites hybridus)ハーブレメディを使用しないように

Consumers are advised not to take unlicensed Butterbur (Petasites hybridus) herbal remedies
27 January 2012
http://www.mhra.gov.uk/Safetyinformation/Generalsafetyinformationandadvice/Herbalmedicines/Herbalsafetyupdates/Allherbalsafetyupdates/CON140849
蕗製品は肝毒性と関連し、文献には40の症例が報告されている。そのうち9症例は急性肝炎でそのうちの2例は肝不全となり肝臓移植を必要とした。肝障害はピロリジジンアルカロイドを除去し僅かしか残っていない抽出物でもおこるようである。蕗に含まれるペタシンのようなセスキテルペンなど、他の成分が毒性に関与する可能性がある。
関係者向け文書
http://www.mhra.gov.uk/home/groups/comms-ic/documents/websiteresources/con140851.pdf

(具体的製品名はないがこういう製品のことかな
http://www.petadolex.ne.jp/products/
ピロリジジンアルカロイドは直近ではコンフリーに対する警告で話題になっている。このときはSenecio属の植物が問題にされた。でもフキノトウツワブキなどにもこの発がん性アルカロイドは入っていて、オーストラリアなどでは食品としては販売禁止。

http://ci.nii.ac.jp/els/110006677938.pdf?id=ART0008703348&type=pdf&lang=jp&host=cinii&order_no=&ppv_type=0&lang_sw=&no=1328158193&cp=
1976年。手書きなところが味わい深い。
J Natl Cancer Inst. 1977 Apr;58(4):1155-7.
Carcinogenic activity of petasitenine, a new pyrrolizidine alkaloid isolated from Petasites japonicus Maxim.
なんかすごい実験。72日で死んでしまったりと時代を感じるけど、JNCIのような雑誌にこういう論文が出ても騒ぎにならなかった(?)というのがまた不思議。
食べてしまった?一応遺伝毒性発がん物質なので摂取は「合理的に達成可能な限り低く」すべきですが「ただちに健康には影響ない」のでこれから気をつけることにして過ぎたことは気にしないように。早春のバッケ味噌美味しいよね。「健康食品」でなければ大量に長期間食べることはないと思う。)