食品安全情報blog過去記事

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野菜や果物が皮膚の色を変える−専門家の反応

SMC
Fruit and veges change skin colour – experts respond
March 8th, 2012.
http://www.sciencemediacentre.co.nz/2012/03/08/fruit-and-veges-change-skin-colour-experts-respond/
野菜や果物を食べることが皮膚の赤みや黄みを変える
PloS ONEに発表された新しい研究で、スコットランドの研究者らが野菜や果物を食べると皮膚の色が変わるかどうかを調べた。6週間以上野菜や果物をたくさん食べると皮膚の赤みや黄みが増え、このような皮膚の色の変化は魅力の増加と関連し、健康改善を反映していることが示唆された。
英国SMCが専門家のコメントを集めた。
MRC Human Nutrition Researchの栄養師Glenys Jones博士
一部の野菜や果物に含まれるカロチノイドが皮膚の着色に関与し、大量に食べるとカロチン血症と呼ばれる皮膚の明白な黄色/オレンジ着色がおこることがよく知られている。これはニンジンやトマトやマンゴーなどに含まれるカロテノイドが皮膚細胞の外層にある脂肪に沈着することでおこり、特に手のひらや足の裏で明白になる。
皮膚の弱い着色やその野菜や果物摂取との関係についてはあまりデータが無い。この研究はどれだけたくさん食べれば皮膚の色が変わるのかを定量しようとしており、もし黄色/赤の色が増えたら健康的で魅力的に見えるのかどうかを調べようとした。しかしこの研究では食品の調理法や何と一緒に食べるかなどについては考慮していない。カロテノイドやリコペンのような栄養素の生物学的利用度は、食べる量を増やせば単純に直線的に増えるものではない。またこの研究は18-25才の学生を対象にしたもので高齢者でも同様かどうかはわからない。推奨されている1日5単位の野菜や果物をとっていない多くの人にとってはこれが野菜や果物を多く食べるよう薦めるもう一つの理由になるかもしれない。野菜や果物は顔色だけでなく健康によい。
St George’s Hospitalの栄養士長Catherine Collins
この研究にはデザインに二つの問題がありさらに結果の解釈にも問題がある。
研究デザインについては主に白人についてのもので他の民族には当てはまらないだろう。研究期間中(6月頃)の紫外線暴露が考慮されていない。カロテンが皮膚の色を変えるのは既に知られている。食べる量を増やすと吸収される量が単純に増えるわけではない。基本的に野菜や果物をたくさん食べることは健康のために薦められる。他の食品と一緒に調理して食べると生物学的利用度は上がる。
You Are What You Eat: Within-Subject Increases in Fruit and Vegetable Consumption Confer Beneficial Skin-Color Changes
http://www.plosone.org/article/info%3Adoi%2F10.1371%2Fjournal.pone.0032988
(妙な論文)