食品安全情報blog過去記事

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食品と飼料にシトリニンが存在することに関連する公衆と動物健康リスクについての科学的意見

Scientific Opinion on the risks for public and animal health related to the presence of citrinin in food and feed
EFSA Journal 2012;10(3):2605 [82 pp.].
23 March 2012
http://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/2605.htm
シトリニンはAspergillus、Penicillium、Monascusなどのいくつかの種が産生するマイコトキシンであり、主に貯蔵された穀類に生じる。現在の検出データは食事からの暴露評価をするには適切ではない。シトリニンは腎毒性がありラットの90日試験でのNOAELは20 microg/kg体重/日である。データが十分でないため健康のためのガイドライン値を設定するのは適切ではないと考えられるが腎毒性の懸念のない量として0.2 microg/kg体重/日が設定できる。入手できるデータからは、腎毒性の懸念のない量では遺伝毒性や発がん性は排除できない。適切な暴露データがないので、穀物由来のシトリニンへの暴露が腎毒性の懸念のない量と同じであると仮定してリスクを検討した。ヒトの高摂取群と平均摂取群では9-53および19-100 microg/kgが穀類のシトリニンの臨界濃度である。動物では穀類のシトリニン濃度はNOAELを超過する。CONTAMパネルは不確実性が大きく、毒性や食品や飼料中濃度についてのデータがさらに必要だと結論した。