食品安全情報blog過去記事

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その他

  • ハーブ医薬品の成分は尿路系がんと関連

LATimes
Ingredient in herbal medicines linked to urothelial cancer
April 9, 2012
http://www.latimes.com/health/boostershots/la-heb-aristolochic-acid-urothelial-cancer-20120409,0,7197194.story
害が無いと考えてハーブを使おうと思っているならこれを読んで:PNASに発表された論文に、害のない痩身用サプリメントと考えて摂っていた人達にある種の膀胱がんができたことが報告された。これは米国と台湾の研究者らによるもので、漢方薬に使われる植物に含まれるアリストロキア酸の問題を指摘している。アリストロキア酸は10年以上前から問題になっていて、2000年にはFDAが警告している。しかし2003年の調査ではアリストロキア酸含有製品がウェブでたくさん売られていた。

台湾におけるアリストロキア酸関連尿路系がん
Aristolochic acid-associated urothelial cancer in Taiwan
Chung-Hsin Chen et al.,
Published online before print April 9, 2012, doi: 10.1073/pnas.1119920109 PNAS April 9, 2012
http://www.pnas.org/content/early/2012/04/03/1119920109
上部尿路系がん(UUC)患者151人のTP53遺伝子変異を調べた研究。DNAへのアリストロキア酸付加体も検出されており、アリストロキア酸が台湾での高率のがんの発症に関与することが示唆された。アリストロキア酸含有ハーブによるがんの発症には20-40年かかると推定されている。1930年代から2003年まで漢方薬の成分のMutong(木通)4と Fangchiが Aristolochia manchuriensis(ヒロハウマノスズクサ)とAristolochia fangchiに変更されていて、これにより台湾人の、特に女性のUUCの増加が著しい。

漢方薬の副作用にがんがあることを明示しないのは詐欺的。まともな会社は警告があればすぐに通知して回収するのに漢方やハーブ業界では無視が普通)

  • レビュー がん予防

がん予防促進のために知っていることを生かそう
Review
Cancer Prevention
Applying What We Know to Accelerate Cancer Prevention
Sci Transl Med 28 March 2012:
Vol. 4, Issue 127, p. 127rv4
Sci. Transl. Med. DOI: 10.1126/scitranslmed.3003218
Graham A. Colditz et al.,
http://stm.sciencemag.org/content/4/127/127rv4.abstract?sid=7ae21026-360f-4726-9bb2-1349c77e2581
がんの半分は予防できる
禁煙。アルコールは控える。運動する。日焼けに注意。健康体重の維持。バランスの取れた食生活。HPVワクチン。室内で火を燃やさない、など