食品安全情報blog過去記事

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漢方薬に有害植物や絶滅危惧動物が同定された

SMC
Toxic plants, endangered animals identified in traditional Chinese medicines
April 13th, 2012.
http://www.sciencemediacentre.co.nz/2012/04/13/toxic-plants-endangered-animals-identified-in-traditional-chinese-medicines/
PLoS GenetとPNASの論文について
ナチュラルヘルス製品規制法委員会メンバーであるWellington のVictoria大学Shaun Holt教授
漢方薬は長い使用歴があり一部の製品は安全で有効であろう。しかし現在漢方薬には3津の問題点がある。1つは有効性と安全性についてのきちんとした臨床データがないこと。1つは様々な汚染物質や成分などの品質上の問題があること。そして最後に違法に入手された絶滅危惧種を用いた製品があること、である。この重要な論文は2番目と3番目の問題が現実であることを確認した。漢方薬ニュージーランドを含む世界中で使用されている。私の消費者へのアドバイスは十分注意するようにということである。将来、いくつかの製品は有効性や安全性が確認されて、品質も許容できるレベルになる可能性はあるが、現時点では私は漢方薬の使用は薦めない。
Exeter 大学補完医療Edzard Ernst教授
漢方薬のリスクは膨大である。1つはハーブ自体が有害である可能性がある、2つめは処方薬と相互作用する可能性がある、3つめはしばしば重金属汚染がある、4つめはしばしば処方薬成分が入っている、5つめは薬を売っている人達がしばしば知識がなく根拠のない治療効果を宣伝したり無責任な危険なアドバイスをしたりする。これらを考えると漢方薬はリスクが大きく誰にも薦められない。
(一応、日本で医師が処方している漢方薬や局方に収載されて医薬品として販売されている漢方薬は最低限の安全性は確保されているとは思う。そうでない妙なものを売っている漢方薬局と称する店やネットで購入する場合には安全性は保証されていない。有効性はまた別の話。)