食品安全情報blog過去記事

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食品中臭素化難燃剤(BFRs)についての科学的意見:臭化フェノールとその誘導体

Scientific Opinion on Brominated Flame Retardants (BFRs) in Food: Brominated Phenols and their Derivatives
EFSA Journal 2012;10(4):2634 [42 pp.].
16 April 2012
http://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/2634.htm
2009年12月に食品中の臭化フェノールとその誘導体についてのデータを募集したが何も提出されなかった。文献からは「魚やその他シーフード」から小数検出されていた。ヨーロッパのサンプリングデータからは2,4,6-トリブロモフェノール(2,4,6-TBP)が主であることが示されている。毒性データは少なく、主に2,4,6-TBPに関するものだった。主な標的は肝臓と腎臓で、反復経口毒性試験からNOAELは100 mg/kg/dayであった。細菌での遺伝毒性試験やin vivo試験で遺伝毒性はないがほ乳類細胞でのin vitro試験で染色体異常誘発性があった。長期毒性試験やがん原性試験はない。データが不十分であることから2,4,6-TBPの健康ベースのガイドライン値を設定することはできない。そこで魚介類をたくさん食べる集団でのMOEアプローチを採用した。最悪シナリオでの食事暴露量は40 ng/kg体重/日で、これはNOAELに比べて約6桁低い。結論として2,4,6-TBPは現状の暴露量では健康上の懸念とはならない。母乳からの乳児の暴露についても7桁少なく健康上の懸念とはならない。