食品安全情報blog過去記事

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原因不明疾患 ウォンバット オーストラリア(第3報)

Undiagnosed disease, wombat - Australia (03): (SA)
2012-05-18
http://www.promedmail.org/direct.php?id=20120518.1136741
[1]Date: 17 May 2012 From: Ross McKenzie [edited]
先の記事へのコメント
1. 脱毛症を誤診しているようだ。ウォンバットの皮膚は色がついているので光過敏症とは考えにくい。皮膚炎やストレスではないか。
2. ピロリジジンによる肝障害は確かか?
3. 植物の同定
[2]Date 17 May 2012 From: David Thomson [edited]
ヘリオトロープに含まれるピロリジジンアルカロイドが肝障害を誘発するのは間違いないだろうがそれで光過敏症になって脱毛するだろうか?

Undiagnosed disease, wombat - Australia (04): (SA)
2012-05-22
http://www.promedmail.org/direct.php?id=20120522.1140445
Date: 21 May 2012 From: Lucy Woolford [edited]
南オーストラリアでウォンバットの病気について研究している者の一人としていくつかの疑問に答える。
この病気の原因にはたくさんの要因があり、大きいのは慢性的栄養不良であると信じている。病気のウォンバットのいる地域には在来種の芝がほとんどなく、食べているのは_Carrichtera annua_, _Asophodelus fistulosus_, _Marrubium vulgare_, _Heliotropium europaeum_である。調べたウォンバットの子どもは身体の状態が良くなく、重症の両側対称性の背面腹面脱毛症があり、黄疸、日光に当たる範囲に出血性滲出性の皮膚炎がある。顕微鏡的には皮膚炎は真皮上層の好中球血管炎、血栓、出血、表皮と真皮上層の虚血性壊死がみられる。この動物の皮膚には色素のないところがあり、光への感受性が高くなっていると考えられる。
肝障害の特徴は門脈周囲の重症繊維症、胆管増殖、巨大赤血球症、赤血球不同症、核大小不同で、二次的細菌性肝炎もある。
別の診断としてはピロリジジンアルカロイド中毒、アフラトキシン中毒、その他植物中毒などがある。
重要なことは全ての脱毛ウォンバットに肝障害があるわけではないことである。慢性栄養不良が脱毛の原因かもしれない。ホルモン攪乱も排除できない。調査は継続中で結果は近い将来発表されるだろう。