食品安全情報blog過去記事

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2011年東日本大震災後の核事故による予備的線量推定

Preliminary dose estimation from the nuclear accident after the 2011 Great East Japan Earthquake and Tsunami
23 May 2012
http://whqlibdoc.who.int/publications/2012/9789241503662_eng.pdf
国際機関の核緊急時対応として定められたWHOの役割は公衆衛生リスク評価と対応である。従って事故直後からWHOは国連加盟国と一般の人々に情報を伝えることと公衆衛生対応の優先順位決定を支援するために健康リスク評価を開始した。
健康リスク評価の目的は福島第一原子力発電所事故後の最初の1年でのヒト放射線暴露による健康影響の可能性について世界レベルで推定することである。この評価には福島やその近傍県、その他日本、近傍諸国、世界の他の国に住む乳幼児やこどもや成人を含む。
健康リスク評価には人々の暴露量を推定する必要があるため、WHOは事故による日本国内外の暴露量を初期評価するための国際専門家委員会を作った。委員会メンバーは利益相版がないことを確認した。30人以上の専門家がそれぞれの能力に応じて評価に関与した。
さらにIAEA、FAOの専門家を招き、UNSCEARがオブザーバー参加した。日本政府もオブザーバーとして会合に参加した。
保守的推定を用いたこの評価では、最も影響の大きい地域で10-50mSv、残りの福島県では1-10 mSv、日本のほとんどの地域では0.1-1mSv、世界の残りの国では0.01mSv以下。
福島県の最も影響の大きい地域の暴露源は環境由来であるが残りの地域では主に食事由来である。食事由来の暴露量の推定は特に福島県外で過剰である。これは予備的なものと見なすべきである。