食品安全情報blog過去記事

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遺伝子組換え作物は益虫の繁栄を許す

SMC
Gene-modified crops allow beneficial insects to thrive
June 14th, 2012.
http://www.sciencemediacentre.co.nz/2012/06/14/gene-modified-crops-allow-beneficial-insects-to-thrive/
害虫を殺すGM綿は、広域スペクトル殺虫剤を必要としないために他の昆虫集団を増やすかもしれない
Natureに発表された中国からの新しい研究は、Bt毒素を作るように改変されたGM綿はオオタバコガ(Helicoverpa armigera)などによる綿の被害を予防するだけでなくこの害虫を食べる益虫の数を増やすことを発見した。これはGM作物が害虫も益虫も両方殺す広域スペクトル殺虫剤処理を必要としないためである。著者らは天敵による天然の害虫コントロールが、周辺の非GM作物にも良い影響を与えている可能性を示唆している。
UK SMCの同僚が以下の専門家のコメントを集めた。
John Innes Centre Dale Sanders教授
これはGM作物が環境によいという根拠を付け加えるものである。殺虫剤の使用を減らすことで生物多様性が繁栄するチャンスが増える。この研究の知見は誰にとっても良いものだ。バイオテクノロジーを駆使した持続可能な農業で人類の需要を満たすことができる
Southampton 大学Guy Poppy生態学教授
この研究はGM反対者の見解を変えるだろう
Rothamsted ResearchのJohn Pickett教授
最初の遺伝子組換えBt植物が作られてから約30年になる。多くの科学者が新しい技術に関連する問題点を探してきた。しかしメリットがなければこれほど広がりはしなかったであろう。この研究はさらなるメリットを明確に示した。

Widespread adoption of Bt cotton and insecticide decrease promotes biocontrol services
Yanhui Lu et al.,
Nature Year published:(2012) doi:10.1038/nature11153
http://www.nature.com/nature/journal/vaop/ncurrent/full/nature11153.html