食品安全情報blog過去記事

はてなダイアリーにあった食品安全情報blogを移行したものです

SCCSの意見案

8月24日までパブリックコメント募集

  • コウジ酸

Kojic Acid
http://ec.europa.eu/health/scientific_committees/consumer_safety/docs/sccs_o_098.pdf
2008年に美白用化粧品への使用が消費者の健康にリスクとなる懸念があるという意見を採択していたが、新しいデータをもとに見直し。非遺伝毒性発がん物質で閾値のあるメカニズムが想定される)。新たに経皮吸収データが提出されたことなどから安全性マージンが大きくなり、顔や手への使用について安全上の懸念とはならないと変更された。

  • ベンズイソチアゾリノン

Benzisothiazolinone(COLIPA n° P96)
http://ec.europa.eu/health/scientific_committees/consumer_safety/docs/sccs_o_099.pdf

  • 化粧品のNDELAと風船のニトロソアミン

NDELA in Cosmetic Products and Nitrosamines in Balloons
http://ec.europa.eu/health/scientific_committees/consumer_safety/docs/sccs_o_100.pdf
N-ニトロソジエタノールアミン(NDELA)やN-ニトロジメチルアミンなどのニトロソアミン類はカテゴリーB発がん物質に分類され、これらを含む化粧品は禁止、おもちゃについては50 microg/kgに制限されている。しかしこの分類には合意していない当局もあり、そのため検討を続けてきた。専門家は化粧品と風船のNDELAについて、追加の生涯発がんリスク1 x 10-6を「重大な」と「それほど重大でない」の境界として使用することに合意した。さらに子ども向けに追加の安全係数3を用いることが提案されたがその適用法については合意できなかった。
実質安全量(VSD)のアプローチとして3つが提案された
EPAによるNDELA 1mgあたりの経口スロープファクター2.8を使う。するとVSDは0.36 ng/kg体重/日になる
・BMDL 10を用いて計算すると3.6 ng/kg体重/日
・NMDAのVSDにラットTD50の差である33を用いて13.2 ng/kg体重/日
それぞれ短所がある
これらについて検討した結果、リスクレベルの分類には追加の生涯発がんリスク1 x 10-5あるいはBMDL10に基づくMoE 100000あるいはT25に基づくMoE 25000が適切であろうと結論した。化粧品のNDELAと風船のニトロソアミンについては信頼できるVSDが導出できなかった。ま子どもについて追加の安全係数は必要ない。実用的アプローチとして、BMDL10に基づくMoE 100000およびT25に基づく生涯発がんリスク1 x 10-5がどのくらいの製品濃度になるかを逆算した。