食品安全情報blog過去記事

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ヘルスカナダの改訂食品中アクリルアミド暴露評価

Health Canada's Revised Exposure Assessment of Acrylamide in Food
August 2012
http://www.hc-sc.gc.ca/fn-an/securit/chem-chim/food-aliment/acrylamide/rev-eval-exposure-exposition-eng.php
2009年にヘルスカナダはカナダ人の食事からの最新の正確なアクリルアミド暴露推定のためのより広範なアクリルアミド監視計画を開始した。2009年にパン、コーヒー、フライドポテト、スナック、ベビーフードなどの調査を含む第一期を完了し、2010年にはより多くの食品を対象にした第二期を完了した。これらの新しいデータから、ヘルスカナダは各種食品中アクリルアミドについての「ベースライン」を設定することができる。
これまでは特定の食品中のアクリルアミド濃度を用いて予備的暴露評価を行い、成人平均暴露量0.3から 0.4µg/kg bw per dayとしていた。
より多くの食品中のアクリルアミド濃度データとカナダの栄養調査の結果による食品摂取量データから、コンピュータモデルを用いてアクリルアミドの確率論的暴露を行った。検出限界以下のものについては、保守的に検出下限値を用いた。可能な場合は市場占有率データも評価に組み入れた。その結果を表1に示す(年齢層別の平均と90パーセンタイル)
体重あたりのアクリルアミド摂取量は1-8才の子どもで最も高い。平均は1-18才で0.356 to 0.609 µg/kg bw per day、19-71才以上の成人で0.157 to 0.288 µg/kg bw per dayで予備的暴露評価よりやや低かった。
アクリルアミドの摂取源として寄与が高いのはフライドポテト30%、スナック14.9%、コーヒー12.3%などの順だった。
この結果をもとにMOEを計算した。
NOAELである200µg/kg bw per dayを用いた場合のMOEは平均暴露量で各年齢層328-1274、90パーセンタイルでは132-651、BMDL10 180µg/kg bw per day用いた場合のMOEは平均暴露量で各年齢層302-1146、90パーセンタイルでは119-586だった。この値はJECFAの推定よりは大きいものの、アクリルアミドがヒト健康上の懸念となる可能性があるというJECFAの意見には合意する。
ヘルスカナダは食品業界やその他関係者と会って更新された評価を伝えた。ヘルスカナダは食品業界がさらに加工食品のアクリルアミドの低減化努力を行うことを勧める。
2012年3月14日にはアスパラギナーゼの使用を許可している。
また家庭でのアクリルアミド低減のための情報も提供している。
(フライドポテトやポテトチップスが多いのはわかりやすいけれどブラックオリーブとプルーンは気にしてない場合が多いかも。健康的とか思ってる人が多そう。ポテトチップもメーカーにより違いが大きく、Kettleが2490-4660µg/kgとプリングルズの234-459µg/kgの10倍もある。ラスクってどのくらいなのかな。)