食品安全情報blog過去記事

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水処理凝固剤と飲料水中ニトロソアミンのさらなる研究発表

PUBLICATION OF FURTHER RESEARCH ON NITROSAMINES IN WATER TREATMENT COAGULANTS AND DRINKING WATER
18 October 2012
http://dwi.defra.gov.uk/stakeholders/information-letters/2012/07-2012.pdf
2009年9月にDWIは飲料市中のニトロソアミン、N-ニトロソジメチルアミン(NDMA)についての研究を、水業者へのガイドラインと一緒に発表した。その研究は一般的には90%以上の処理は効果があり最終の水検体からは検出可能な量のNDMAは検出されない(検出限界0.9 ng/L)というものであった。しかしながら一つの第二鉄凝集剤にはNDMAが含まれる可能性がある証拠も見つけていた。この知見に基づき製造業者は第二鉄凝集剤のNDMA濃度を減らす対策をとった。
DWIは水処理凝集剤がNDMA源になっているかどうか、水処理の際にNDMAやその他のニトロソアミンができるのか、除去できるのかをさらに研究することにした。その結果が発表された。
要約としては
・ほとんどの凝集剤からNDMAは検出されないかあるいは痕跡程度しか検出されない
・硫酸第二鉄6検体からは最大19 microg/LのNDMAが検出された。
・水のNDMA濃度はWHOガイドラインである100 ng/Lを超えるものはないが、DWIのトリガーレベルである10 ng/Lを超えるものが一部にある。
・第二鉄凝集剤1検体からN-ニトロソモルフォリンが検出されたは水からは検出されていない。
・ニトロソアミン除去には急速重力濾過、GAC、オゾン化/GACはいずれも有効である
・研究の途中で200microg/Lを超えるNMDAを含む凝集剤が見つかったが削減対策をとり問題の製品は販売されていない
飲料水中のニトロソアミンの由来として凝集剤が考えられるため、製造業者は凝集剤のニトロソアミンを分析して水会社に結果を提供すべきである。
飲料水中に検出された最高濃度のNMOR 26 ng/Lは、暴露マージンアプローチにより評価したところ懸念とはならない。しかし暴露量は合理的に達成可能な程度に低くすべきである