食品安全情報blog過去記事

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その他

  • 海に肥料を撒くプロジェクトが騒動をまきおこす

Natureニュース
Ocean-fertilization project off Canada sparks furore
23 October 2012
http://www.nature.com/news/ocean-fertilization-project-off-canada-sparks-furore-1.11631
7月にカナダの西の海に100トンの硫酸鉄をまいてプランクトンを増やし、サケを増やして炭素を隔離するというプロジェクトが騒動をまきおこしている。

  • 米国小児科学会が初めて子どもためのオーガニック食品について詳細に分析

American Academy of Pediatrics Weighs In For the First Time on Organic Foods for Children
10/22/2012
http://www.aap.org/en-us/about-the-aap/aap-press-room/Pages/American-Academy-of-Pediatrics-Weighs-In-For-the-First-Time-on-Organic-Foods-for-Children.aspx
AAPの報告書は、オーガニック製品だと農薬が少なく薬剤耐性細菌への暴露が少ない可能性があるが、子どもにとって最も重要なのは慣行栽培だろうが有機栽培だろうが関係なく、多様な食品を食べることであるという
保護者向けに米国小児科学会がガイダンスを提供
オーガニック製品を食べることで健康が増進したり疾患リスクが低くなったりすると言う直接的根拠はない。重要なのは健康によいことがわかっている、野菜や果物を豊富に含む多様な食品を食べることである。多くの家庭では食費は限られるため、値段の高いオーガニック食品を選ぶことで野菜や果物の総摂取量が減ることは望ましくない。
From the American Academy of Pediatrics
Clinical Report
Organic Foods: Health and Environmental Advantages and Disadvantages
Joel Forman, MD, Janet Silverstein, MD, COMMITTEE ON NUTRITION, and COUNCIL ON ENVIRONMENTAL HEALTH
http://pediatrics.aappublications.org/content/early/2012/10/15/peds.2012-2579
オープンアクセス
環境影響も扱っているが特に結論的なものはない。費用は人件費と原油などの値段による。
オーガニックを選びたいという保護者には、信頼できる情報源としてConsumer Reports や Environmental Working Groupを紹介(EWGは薦めないけどな?FDAじゃダメなんだろうか)

  • オーガニック製品は必ずしも子どもにとって健康的ではない、と専門家は言う

THE GLOBE AND MAIL
Organics not necessarily safer or healthier for kids, experts say
Tuesday Oct. 23 2012
http://www.theglobeandmail.com/life/health-and-fitness/health/organics-not-necessarily-safer-or-healthier-for-kids-experts-say/article4632879/
親は子どもの農薬暴露を減らしたいと思ってオーガニック野菜や果物を探しているかもしれないが、有機食品は必ずしも慣行栽培の作物より安全性が高かったり栄養があったりするわけではない、と米国小児科学会が、オーガニック製品についての初めての助言で言う。農薬を含まない食品を食べるとより健康になるということは証明されていない。
オーガニック食品は値段が高いため、オーガニックを選ぶことで野菜や果物の購入量が少なくなればそれは良い方法ではない。最も重要なことは子どもに野菜や果物をたくさん含む健康的な食生活をさせることである。
(相変わらず信奉者からそんなの嘘だ、企業の陰謀というコメントが)

  • 女性の中程度飲酒と乳がん:疫学からメカニズムと介入へ

Moderate Alcohol Consumption and Breast Cancer in Women: From Epidemiology to Mechanisms and Interventions
Philip J. Brooks*, Samir Zakhari
Alcohol Clin Exp Res. 2012 Oct 16. doi: 10.1111/j.1530-0277.2012.01888.x. [Epub ahead of print]
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/23072454
疫学研究では女性の中程度飲酒が乳がんリスクを増加させることが示唆されている。メカニズムとしてアルコールが弱いが蓄積性のある乳がん発がん物質として作用することと発がんプロモーター作用もあることが示唆されている。一方心血管系には良い影響があるとされるため、女性がより良い情報を与えられた上での選択ができるようにするためにはさらなるメカニズム研究が重要である。
このペーパーは普通だと思うのだけれど反論が激しい
The complex association between moderate alcohol consumption and breast cancer
http://www.eurekalert.org/pub_releases/2012-10/bumc-tca102312.php
International Scientific Forum on Alcohol Researchというところはアルコールが健康に良いという情報を積極的に出しているところ