食品安全情報blog過去記事

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食品経由で望ましくない物質を最も多く食べているのはヨーロッパのどこ?

Where in Europe do users ingest the highest quantities of unwanted substances via food?
13.11.2012
http://www.bfr.bund.de/en/press_information/2012/38/where_in_europe_do_users_ingest_the_highest_quantities_of_unwanted_substances_via_food_-132105.html
我々は食品から平均してどのくらいダイオキシンやアクリルアミドを食べているか?ポルトガルアイスランドの消費者はドイツと同じ量暴露されているのか?食品中のこれらに物質の量はヨーロッパ全体で同程度でリスクは同等なのか?これらの質問への回答は国やヨーロッパレベルでのリスク管理の基本となる。問題は、有害な可能性のある物質の食品中含量についてのデータを集める標準化された方法が現時点ではないということである。ヨーロッパ学際研究プロジェクト「トータルダイエットスタディ暴露」は、比較可能な基準を使ってヨーロッパの食品の残留物質や汚染物質の健康リスクを評価することが目的である。このプロジェクトでBfRはヨーロッパ25か国と協力してデータ収集のための標準化された方法を開発した。BfRは食品中の汚染物質や残留物質の季節や地域による違いや傾向解析について研究した。BfR長官のDr. Andreas Hensel教授は「協調的データ収集方法は食品中の濃度データを改善し、リスク評価の不確実性を減らすだろう」と述べている。
トータルダイエットスタディは消費者が食べる状態で測定する強みがあるがそのようなデータが入手できる国は多くはない。また既存のTDSのデータも異なる方法論的アプローチで得られているため比較が難しい。このため比較可能なデータの収集方法を開発するプロジェクトが行われた。BfRはデータの変動性についての問題を検討している。データの変動は食品中の汚染物質の濃度の変動にもよるが消費者の行動変化にもよる。BfRは2012年にドイツでパイロット研究を行い2015年末までに完了予定である。チェコフィンランドアイスランドポルトガルでも追加のパイロット研究が計画されており、これらの結果が利用されるだろう。

  • Total Diet Study (TDS) Exposure

http://www.bfr.bund.de/en/total_diet_study__tds__exposure-132102.html
TDS暴露プロジェクトは、より現実的で費用対効果の高い暴露推定方法としてのTDS法化発を目的とする。
TDSによるデータ収集
TDSは食品中のいくつかの物質の平均濃度を決める。たくさんの食品からのバックグラウンド暴露を推定するのに適している。特に加工副生成物やすぐ食べられる食品の添加物などのデータが得られる。
TDS暴露プロジェクトにおける方法開発
ヨーロッパTDS暴露プロジェクトではTDSの方法を標準化する。一部の国でパイロット研究を行い、ドイツは銅やマンガンや水銀などの個別元素のパイロット研究を行う。また「変動性と傾向解析」のまとめをする。
プロジェクト参加国
BfRの他に26のヨーロッパ機関が参加する。フランスのANSESが全体のまとめ役をする。欧州委員会が約600万ユーロを出資し4年間の計画である。