食品安全情報blog過去記事

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がんの代替療法は本当に効くか?

Sense about science
'Do cancer alternatives really work?'
7 December 2012
For the record
http://www.senseaboutscience.org/for_the_record.php/109/do-cancer-alternatives-really-work
12月7日のThe Expressの記事ががんの代替療法に効果あることを示唆している。この記事には多数の事実誤認があり、がん患者に有害である可能性がある。この記事についての専門家の意見を集めた。
Edzard Ernst教授
がんの治療法と宣伝されているものは何百もあり患者はいつもうんざりさせられている。
「がんの代替療法」というのは言葉そのものが矛盾である(効果があることが証明されたものは代替療法ではないので)。がんの代替療法の宣伝は無責任で残酷で非倫理的で犯罪である
特に記事のSally Roberts とその息子の部分について、医療と研究の質についての独立した市民提言者のHazel Thorntonは、「いわゆる代替療法」は腫瘍に対して作用せず、子どもの生活を改善せず、是非避けなければならない。脳腫瘍には評価された治療法がある。
がん疫学Paul Pharoah教授
がんのリスクに食事が重要であることはわかっているが、これは食生活ががんの化学療法や放射線療法の代わりになることを意味しない。培養細胞で何らかの影響があった抗酸化物質や特定の栄養素が実際のがん患者の生存に影響することを示した試験はない。砂糖の多い食品を食べたからインスリンが増加するというのは単純化しすぎである。ゲルソン療法ががんの治療に効果があるという質の高い医学文献はない。それには重大な副作用がある。
サイエンスライターSimon Singh
ホメオパシーに治療効果があるという根拠はない。風邪にホメオパシーが効くことを示唆するのは許容できないが、がんにホメオパシーが効くと宣伝するのは恥ずべきことで最低のジャーナリズムだ
Cancer Research UKも別に批判し、さらにThe Expressの編集者に抗議文を送付している
Alternative cancer treatment claims in the media are damaging and misleading
Posted on December 7, 2012 by Kat Arney
http://scienceblog.cancerresearchuk.org/2012/12/07/alternative-cancer-treatment-claims-in-the-media-are-damaging-and-misleading/
(もと記事の、両親が必死に情報を探してナチュラルレメディのほうが効果があると確信して子どもに治療を受けさせないと決めたという事例が酷すぎる。インターネットで治療法を探す、というのはリスクが高すぎる)