食品安全情報blog過去記事

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その他

ScienceInsider
U.S. Football Star Had Brain Disease Linked to Concussions
by David Malakoff on 10 January 2013
http://news.sciencemag.org/scienceinsider/2013/01/us-football-star-had-brain-disea.html?ref=hp
NFLのスターディフェンダーJunior Seau(昨年自殺)は激しいスポーツに関連する慢性の脳傷害による退行性脳疾患であったNIHの研究者が言う。別の自殺したNFLのスターDave Duersonも、Andre Watersも慢性外傷性脳症(CTE)だった。全体として、調査した19人のNFLプレーヤーの脳のうち1人を除く全員がCTEだった。
(進行する、というのがなんともイヤな病気)

  • 「全粒穀物」と表示されている食品は必ずしも健康的ではない

Foods identified as 'whole grain' not always healthy
10-Jan-2013
http://www.eurekalert.org/pub_releases/2013-01/hsop-fia011013.php
Public Health Nutritionに発表された研究。広く使われている全粒穀物スタンプ(1食あたり8g以上の全粒穀物を含む製品につけることができる)を目安にすると、実際にはスタンプのない製品より砂糖やカロリーの多い製品を選ぶことになることがある。

  • BPAが心臓や腎臓への有害影響と関連

BPA linked to potential adverse effects on heart and kidneys
9-Jan-2013
http://www.eurekalert.org/pub_releases/2013-01/nlmc-blt010413.php
Kidney Internationalに2013年1月9日オンライン発表された論文によると、NHANESの2009-2010データから6-19才の710人の尿中BPAアルブミン濃度のデータを解析した。尿中BPA濃度が最も高い子どもたちのアルブミン/クレアチニン比が高かった。
Bisphenol A exposure is associated with low-grade urinary albumin excretion in children of the United States
http://www.nature.com/ki/journal/vaop/ncurrent/full/ki2012422a.html
(メディアでたくさん報道されているので)

ACCが反論している
BPAが心臓や腎臓に有害影響を与えると主張するには十分な根拠がない
Study Lacks Sufficient Evidence to Claim That BPA Causes Adverse Effects on Heart or Kidneys
Jan. 9, 2013
http://www.americanchemistry.com/Media/PressReleasesTranscripts/ACC-news-releases/Study-Lacks-Sufficient-Evidence-to-Claim-That-BPA-Causes-Adverse-Effects-on-Heart-or-Kidneys.html
単純に、相関関係は因果関係を意味しない、というだけでも十分なのだけれど、尿中アルブミン/クレアチニン比が上位1/4と下位1/4で0.91 mg/g違うというだけで別に異常値だったわけではない。(正常10-30、微量アルブミン尿が30-300、300以上だと試験紙で陽性になるというような数値)

  • 抗酸化物質の神話はあまりにものみこみやすい

Guardian
The antioxidant myth is too easy to swallow
Henry Scowcroft
http://www.guardian.co.uk/commentisfree/2013/jan/10/antioxidant-myth-easy-to-swallow
人々は「抗酸化物質」が「健康的」の代名詞であるという間違った考えに夢中である−たぶんそれは真実があまりおもしろくないからであろう
我々の受信箱にプレスリリースが届いたとき、次に何が起こるか予想できた。話題のノーベル賞受賞者がピアレビューのある雑誌で「私の最も重要な仕事の一つとして、抗酸化サプリメントは予防するよりたくさんのがんを作ってきた可能性がある」と言っている。
気まぐれな流行が最も大好きな英国のメディア(ここではDaily Mail)ですらこの話を無視できなかった。
実際には、DNA二重螺旋の父の一人であるJames Watson教授は、Cancer Research UKなどが既に数年前から指摘していることを再度指摘したにすぎない。これまで大規模研究で何度も抗酸化サプリメントが健康なヒトにはほとんど良い影響はなく、一部は病気や早期死亡のリスクを上げさえすることを示してきた。
我々Cancer Research UKが何度も何度も取り上げてきたことなのだが、Twitterの検索などでみればわかるように、多くの人々が「抗酸化物質」が「健康的」の代名詞であるということを信じ続けている。
たくさんの研究があるのにどうして抗酸化物質の神話にしがみつくのだろう?
理由の一つは各種食品や飲料に氾濫する宣伝だろう。さらに深い理由は科学的根拠という苦い薬は飲みたくないという集団的拒否だろう。タバコを吸うな、体重を管理せよ、バランス良く食べろ、運動しようといった平凡だが根拠のあることは実践が困難なのである。ジムに行く代わりに錠剤を一つ口に放り込めばいいというのは魅力的である。
しかし英国人は高齢化し将来医療費は嵩む。自分たちが責任をとる必要がある。抗酸化物質は寿命も延ばさないしがんも予防しない。ワトソン博士が論文で言っているように、「ブルーベリーは美味しいから食べるのであってがん予防のためではない」