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フェノールの毒性学的評価に関する科学的意見

Scientific Opinion on the toxicological evaluation of phenol
EFSA Journal 2013;11(4):3189 [44 pp.].
30 April 2013
http://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/3189.htm
EFSAはドイツBfRからフェノールのTDI 1.5 mg/kg体重/日を再評価するよう要請された。同程度の用量での経口研究でいくつかの血液及び免疫毒性との関連が報告されているためである。CEFパネルは入手できる経口暴露での毒性学的研究を包括的にレビューした。CEFパネルはフェノールの新たなTDIの根拠となるエンドポイントとして免疫毒性は適切ではないと考える。強制経口投与による発達毒性試験と経口二世代生殖毒性試験を最もしっかりした毒性試験とみなし、これらのデータを用いてBMDアプローチにより用量反応解析を行った。BMDの95%信頼下限であるBMDLを参照用量とした。妊娠6-16日での強制経口投与試験における母親の体重増加抑制についてBMDL10 は 52 mg/kg bw/dayで、標準的不確実係数100を用いてTDIを0.5 mg/kg bw/dayとした。CEFパネルはフェノールの酸化物であるキノン/ヒドロキノンのハザードは評価していない。従ってこのTDIはフェノールのみにあてはまる。フェノール暴露は食品と接触する物質以外の経路、例えば香料、伝統的燻製食品、床のワックス、化粧品、殺菌剤などからもおこる。食品と接触する物質中のフェノール規制を設定する場合には、欧州委員会はこれらの暴露源も考慮することを望むかもしれない。