食品安全情報blog過去記事

はてなダイアリーにあった食品安全情報blogを移行したものです

その他ニュース等

  • Eugenie Scottが反進化論勢力と戦う米国センターを退職する

ScienceInsider
Eugenie Scott to Retire From U.S. Center That Fights Antievolution Forces
by Jeffrey Mervis on 6 May 2013,
http://news.sciencemag.org/scienceinsider/2013/05/eugenie-scott-to-retire-from-us-.html?ref=hp
Eugenie Scottは26年間、先生が生徒に科学の名の下に教えるのには何が正しいのかを伝えてきた。進化論や気候変動について防衛する必要は消えていないが、彼女は国立科学教育センター(NCSE)のCEOを今年後半辞任すると発表した。67才。NCSEは現在後継者を捜している。

Omega-3 Supplements in Question
by Berkeley Wellness May 07, 2013
http://www.berkeleywellness.com/supplements/other-supplements/article/omega-3-supplements-question
アメリカ人の約10%が魚油(オメガ3)カプセルを摂っていて、今やマルチビタミンとカルシウムに続く3番目に多く使用されているサプリメントになっている。魚やオメガ3脂肪が多くの健康上のメリットと結びつけられ、特に心血管系疾患のリスクを下げるということが注目されてきた。米国政府の食事ガイドラインアメリカ心臓協会(AHA)、WHOなどの世界中の保健機関がサーモンやニシン、イワシなどの油分の多い魚を定期的に食べることを薦めている。
しかしアメリカ人は平均すると週に1回2-3オンスしか食べず、しかもしばしばライトツナ缶詰、白身魚、エビなどの脂肪の少ないものを選ぶ。ある人は単に好きでないから、あるいはベジタリアンだから、そして汚染物質が心配だから魚を食べない。そして多くの人が魚油サプリメントを選ぶ。AHAは心疾患のある人に推奨量のオメガ3を摂るためのカプセルを選択肢として与えている。2004年以降FDAはオメガ3サプリメントに、根拠は「決定的なものではない」と表示しなければならないとしたうえで心疾患リスク削減との関連についての「限定的」健康強調表示を認めている。
「決定的なものではない」というのは控えめな表現である。実際には過去2年間の臨床試験とデータ解析の結果はネガティブで魚油サプリメントのメリットには疑問符が付いている。あなたの魚油サプリメントを葬り去る時ではないか?
以下論文等の解説
結局魚を食べることが良いことは確かで、サプリメントは魚の代わりにはならない。サプリメントは有害ではないかもしれないが、もしあなたが不健康な食生活をしていてそれをサプリメントで補うことができる、あるいはサプリメントが医薬品の代わりになると考えているのなら、サプリメントは有害である。

Should You Go Gluten-Free?
by Berkeley Wellness May 03, 2013
http://www.berkeleywellness.com/healthy-eating/nutrition/article/should-you-go-gluten-free
グルテンフリーダイエットが健康的な食生活や痩せると称して流行している。インターネット検索では9000万件がヒットしアマゾンでは8000以上のグルテンフリー食品が販売され、そのような製品の販売額は昨年280億ドルにもなった。過去2年で、多くのレストランメニューにグルテンフリーが載るようになった。
グルテンを避ける理由があるのはセリアック病やグルテン過敏症のようなグルテン関連疾患のある人である。セリアック病はアメリカ人の約1%が罹患しているとされるがグルテン過敏症は定義がはっきりせず議論の的になっているが約6%とされる。
しかし多くの人にとってグルテンフリーにメリットがあるという根拠はない。本やセレブが宣伝しているが、グルテンフリーで痩せるという根拠はない。
(日本語でgoogle先生に聞くと33万件ほど、Yahooだと39万件ほど。アメリカほど流行することはないのでは、とは思うが)

  • ノセボ効果:メディア報道が病気の症状のきっかけになる可能性

The nocebo effect: Media reports may trigger symptoms of a disease
6-May-2013
http://www.eurekalert.org/pub_releases/2013-05/jgum-tne050613.php
負の影響を予想することがその症状になる可能性を増やすことがある−メディアは健康リスクについて警告する場合にはもっと責任をもつ必要がある
健康に有害だとされる物質についてのメディア報道が、暗示にかかりやすい人たちに特に理由はなくとも症状を発症させる可能性がある。電磁波過敏症に関する研究からの結論である。147人にBBCのドキュメンタリー、一つは電磁波の健康ハザードについて、一つはインターネットや携帯電話のセキュリティーについて、をみてもらった。その後WiFiシグナルに暴露すると(実際には何もしていない)54%が典型的な症状を発症した。
Michael Witthöft, G. James Rubin (2013), Are media warnings about the adverse health effects of modern life self-fulfilling? An experimental study on idiopathic environmental intolerance attributed to electromagnetic fields (IEI-EMF), Journal of Psychosomatic Research