食品安全情報blog過去記事

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消費者むけ情報 遺伝子組換え食品の安全性規制におけるFDAの役割

FDA's Role in Regulating Safety of GE Foods
05/14/2013
http://www.fda.gov/ForConsumers/ConsumerUpdates/ucm352067.htm
遺伝子組換え生物由来食品、GMO由来食品は約20年の間我々の食卓に存在してきた。
遺伝子組換えは、科学者が生物に新しい性質や特徴を導入するのに使うある種の方法のことで、例えば植物は生長を促進したり栄養価を高くするために遺伝子組換えを使う。
FDAは科学的方法で遺伝子組換え植物由来食品や成分が食べても安全であることを確保するための規制を行っている。これまで人々は何千年もの間交配や選別により植物を改変してきたが、遺伝子組換えやGEという言葉は近代のバイオテクノロジーを用いて改変した植物に使い、伝統的交配と区別している。
FDAはUSDAとEPAと連携して遺伝子組換え作物由来食品を規制している。USDAのAPHISは、新たな遺伝子組換え品種が他の植物にリスクとなるかどうかを含む農業を害虫や疾患から保護するのが役割である。EPAは作物に組み込まれたものを含む農薬を、ヒト健康や環境に不合理なリスクとならないよう規制している。
野外と市場で
遺伝子組換え微生物は約40年前に開発され、その後まもなく遺伝子組換え植物や動物が開発された。遺伝子組換え微生物や植物由来食品は1990年代から食品として供給されている。最初の遺伝子組換え微生物由来食品はチーズの製造に使われる酵素であった。
米国でよく栽培されているGE作物は綿、トウモロコシ、大豆で、USDAによれば2012年は全ての綿のうち94%がGE、大豆は93%、トウモロコシは88%である。
ほとんどのGE作物は食品成分や動物用飼料として使われている。害虫や除草剤耐性の遺伝子組換えトウモロコシ、大豆、綿はコーンスターチやコーンシロップ、綿実油、大豆油のような食品成分に多く使われている。さらにスカッシュやパパイヤのような別の食品の新しい品種も作られている。これまで栄養価を改変した植物は多くはなく、2012年にオメガ3脂肪酸の量が多い大豆をFDAが評価した。
安全性
GE植物由来食品や成分は伝統的交配により作られた植物由来食品や成分と同じ安全基準を満たさなければならない。FDAはGE植物の開発者には製品販売前に相談することを勧めている。相談は自主的なものであるが、食品業者にとってそれが安全で合法であることを確保するのに役立つ。開発者は安全性評価を行い、FDAの科学者が評価する。相談はFDAの科学者チームが開発者の安全性評価に満足した場合にのみ完了する。2013年5月時点でFDAは96の遺伝子組換え作物の相談を完了している。
GE食品についての見解
FDAはGE植物由来食品を含む食品や食品成分を規制しているがGE植物に賛成でも反対でもない。FDAの最優先課題はGE植物由来食品も含めて全ての食品が安全であり法に従っていることを確保することである。しかしながらFDAは製造業者や農業、一般の人々の間に多様な意見があることは認識している。
表示
自分や家族が食べる食品が遺伝子組換え技術を使ったものかどうか知りたいという消費者は多い。食品製造業者は表示が事実で誤解を招くものでないという条件で自主的に表示することができる。FDAはそのような自主的表示を支持しガイドライン案を発表している。
連邦食品医薬品法により虚偽または誤解を招く表示は一般的に禁止されている。「原料」に関する事実を明らかにしない食品表示は誤解を招くものである。
FDAはGE食品の規制に関して2つの市民請願を受け取っている。これらはFDAにGE食品の表示についての立場の変更を求めている。FDAは現在これらについてレビューしている。
植物交配法についての説明図がある
(伝統的交配では望ましい性質をもつ遺伝子だけではなく多くの遺伝子が、望ましくないものも含めて、導入されること、遺伝子組換えでは特定の遺伝子のみが導入されることを説明。普通に考えれば伝統的交配のほうがわからないことが多いよね、ということを示す。)