食品安全情報blog過去記事

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その他ニュース

Natureニュース
Pesticides spark broad biodiversity loss
Sharon Oosthoek 17 June 2013
http://www.nature.com/news/pesticides-spark-broad-biodiversity-loss-1.13214
農薬が、「安全」量でも、小川や土壌の無脊椎動物に影響する
2つの新しい論文が発表された。
(農薬が、というか農業そのものが生物多様性を減らすことで成り立つので何をどこまで許容するかを考えないと)

  • がん突然変異のリストは偽陽性だらけ

Lists of cancer mutations awash with false positives
Heidi Ledford 17 June 2013
http://www.nature.com/news/lists-of-cancer-mutations-awash-with-false-positives-1.13206
しかし研究者は変異率の違いを考慮することでアーチファクトを減らせることを示す
がんゲノムデータの再解析で、例えば肺がんに関連する遺伝子のリストが450から11に減った。

Chemical-weapons experts back case against Syria
14 June 2013
http://www.nature.com/news/chemical-weapons-experts-back-case-against-syria-1.13211
根拠の詳細は不明で、検体の取り扱いについての疑問も残る
米国・英国・フランスがシリア政権が化学兵器を使ったと主張していることについて、信頼できそうだと化学兵器の専門家は言う。しかし根拠の詳細は明らかになっていないので完全評価は難しい。

  • アメリカの最悪の50の慈善団体は約10億ドルを集金者に儲けさせている

America's 50 worst charities rake in nearly $1 billion for corporate fundraisers
June 6, 2013
http://www.tampabay.com/topics/specials/worst-charities1.page
リスト
http://www.tampabay.com/americas-worst-charities/
寄付を募る慈善団体のうち、実際に支援に使う率が数%以下の団体についての記事。
募金をするときには注意

  • 新生児の成長の、IQと低学年での行動への影響

Impact of Neonatal Growth on IQ and Behavior at Early School Age
Lisa G. Smithers et al.,
Pediatrics
http://pediatrics.aappublications.org/content/early/2013/06/12/peds.2012-3497.abstract
生後4週間の体重増加と頭囲の増加が早いとIQが高い。(因果関係は逆かもしれない。)

ニュースでは、新生児の体重が増えにくい場合は早めに相談するようにと言っている
増え過ぎも良くないが増えないのも問題と。
Study finds weight gain in first month of life linked to higher IQ
http://www.abc.net.au/news/2013-06-17/weight-gain-in-first-month-of-life-linked-to-higher-iq/4760982

  • ENDO 2013

https://www.endocrine.org/
6月15-18日、サンフランシスコで内分泌学会が開催中
ビスフェノールAなどの実験のプレスリリースがいくつか出ている

  • 落とした食べものは食べるべき?

Should You Eat Dropped Food?
by Berkeley Wellness June 17, 2013
http://www.berkeleywellness.com/healthy-eating/food-safety/article/should-you-eat-dropped-food
いつも議論になる問題がある:床に落とした食品を食べても良いか?多くの人は「5秒ルール」を主張する。人によっては10秒、20あるいは30秒でもいいといい、チンギス・カンは12時間ルールだという伝説まである。しかしこれは都市伝説で、落としたらダメだという人もいる。誰が正しいのか?
5秒ルールは科学的に確かめられている。良く引用されるのは、発表はされていないが、2003年のイリノイ大学で研修中の高校生が熊のグミとファッジつきクッキーを大腸菌のついたセラミックの床タイルにおいて5秒以内で拾っても菌はつくことを見いだした、という事件である。菌がつくのに時間は関係ないようだということと、床は意外ときれいだということを生徒は発見した。
その後Clemson大学の研究者らがタイル、木、カーペットの床にサルモネラを撒き、ボローニャとパンを落として5、30、60秒で拾った研究を2007年にJournal of Applied Microbiologyに発表した。5秒以内に食品は150-8000個の細菌を拾った(最も少ないのはカーペット、最も多いのはタイル)。さらに細菌が乾燥した表面で数週間生きられることも発見した。著者によると、ほとんどの表面にいる細菌は害がないが、落ちた食品はこれらの細菌を直ちに拾っている。
結論:常識的に考えよう。たまに、床に落ちた食品をすぐ拾って食べたとしても病気にはならないだろう。しかし何をどこで落としたかによる。掃除したばかりの乾燥した床にクラッカーを落とした場合と、猫のトイレの床に落とした場合は大きく異なる。