食品安全情報blog過去記事

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論文等

  • 生涯における認知活動、神経病理、認知機能の加齢

Life-span cognitive activity, neuropathologic burden, and cognitive aging
Robert S. Wilson et al.,
Neurology 10.1212/WNL.0b013e31829c5e8a
http://neurology.org/content/early/2013/07/03/WNL.0b013e31829c5e8a
生涯にわたって頭を使うことは、神経病理学的病態とは独立に高齢化してからの認知機能低下が遅いことに関連する

  • 毎日3単位の低脂肪乳:根拠に基づいた助言だろうか?

Three Daily Servings of Reduced-Fat Milk: An Evidence-Based Recommendation?
David S. Ludwig, MD, PhD; Walter C Willett, MD, DrPH
July 1, 2013
http://archpedi.jamanetwork.com/article.aspx?articleid=1704826
USDAや米国小児科学会は、砂糖入り飲料の摂取と肥満が関連するという研究から、低脂肪乳を除くカロリーのある飲料の摂取量を制限するよう助言している。しかしその根拠に疑問がある。

  • 研究者が、禁止された若返りの薬が再び販売されていることに警告

Researcher warns banned fountain of youth drug may be making a comeback
3-Jul-2013
http://www.eurekalert.org/pub_releases/2013-07/bumc-rwb070313.php
米国では30年以上前に「若返りの薬」Gerovital H3が禁止されたが、再び販売されている。Thomas Perls博士による今月のJournal of the American Geriatrics Societyのエディトリアルで、米国のアンチエイジングあるいは長寿クリニックが、1982年に禁止されたGerovital H3を錠剤として、あるいは静注として宣伝し始めている。
Gerovital H3は歯科用麻酔薬塩酸プロカイン(ノボカイン)で、1950年代にハリウッドスターが濫用した。共産政権ルーマニアで、国がこの製品を宣伝した。1956年に「ノボカインによる加齢の新しい治療・予防法−栄養を与え若返りの効果がある」という論文が、ブカレスト老年医学研究所長のAna Aslanにより、現在は廃刊になっている雑誌Therapiewocheに発表された。それを根拠に共産政権は外国人向けのアンチエイジングリゾートおよびクリニックを作った。
1970年代に米国国立老化研究所がGerovital H3についての評価を行い、塩酸プロカインには弱いモノアミンオキシダーゼ阻害作用がある以外は加齢に関連する疾患治療に有益であるという科学的に信頼できる根拠はない、と結論した。その後の研究でさらにプロカインやその製剤に認知機能低下や認知症予防効果があるという根拠はみつからなかった。
最近のGerovital H3の復活はインターネットでのマーケティング戦略による。
The Reappearance of Procaine Hydrochloride (Gerovital H3) for Antiaging
Journal of the American Geriatrics Society
Volume 61, Issue 6, pages 1024–1025, June 2013
(日本でも売ってる、ジェロビタールで検索するとたくさん。)