食品安全情報blog過去記事

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フォンテラの間違った警告−クロストリジウムスポロゲネスとは何か

SMC
Fonterra’s false alarm – what are Clostridium sporogenes?
August 28th, 2013.
http://www.sciencemediacentre.co.nz/2013/08/28/fonterras-false-alarm-what-is-clostridium-sporogenes-experts-respond/
一次産業省はフォンテラの乳清タンパク質濃縮物の検査を完了し、致死的なボツリヌス菌は検出されず、その代わり最悪の場合でも食品をダメにするだけでヒト健康リスクのないクロストリジウムスポロゲネスが検出された。MPIはまもなく完全報告書を発表するだろう。
専門家の反応
Massey大学進化遺伝学講師Heather Hendrickson博士
恐ろしい毒素を作る微生物と問題のない系統を区別するのがこんなに難しいことに多くの人は驚くだろう。違いはたった一つの遺伝子である。
オークランド大学微生物学者Siouxsie Wiles博士
Clostridium sporogenesは毒素を作らないC.botulinum系統に与えられた名前である。それらはボツリヌス毒素遺伝子の有無以外は同じであると考えられている。
確認法はいくつかあるが、最も安価な方法はまず培養して種を同定する。この段階ではC.botulinumとC. sporogenesは同一である。次に毒素を産生するかどうかを確認する。マウスバイオアッセイには数週間かかるが毒素遺伝子の有無は数時間から数日でできる。
フォンテラのような大企業が確認前に警告したのは正しかったと思われる。もし確認するまで待っていたら激しく非難されたであろう。
フォンテラが最初に発表すべきだった情報はどのくらいの量の汚染が同定されたか、である。それがあれば専門家は子どもが病気になる可能性を想定できたであろう。フォンテラは事態の取り扱いについてたくさん学ぶことがある。
(微生物だけどいろいろ検討材料にはなるだろう)