食品安全情報blog過去記事

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論文等

  • 福島の放射性汚染物質は3年以内に米国に到達するだろう

Fukushima radioactive plume to reach US in three years
08/26/2013
http://www.climatescience.org.au/content/336-fukushima-radioactive-plume-reach-us-three-years
Deep-Sea Researchに発表された新しい研究によると海の放射性汚染物質は事故が起こった日から3年以内に米国の沿岸に到達するだろう。大気中の放射性汚染物質は数日以内に検出されているが海洋では同じ距離を移動するのにもっと長い時間がかかる。
米国西海岸では検出可能なレベルの放射性物質の増加が観察できるだろうが、心配する必要はない。放射性物質の濃度は日本を出てすぐにWHOの安全レベルを下回る。黒潮が希釈を加速する。

  • 背景説明:シリアの化学兵器攻撃のてがかり

ScienceInsider
Backgrounder: Clues to a Chemical Weapons Attack in Syria
2013-08-28
http://news.sciencemag.org/asiapacific/2013/08/backgrounder-clues-chemical-weapons-attack-syria
米国はシリアで数百人が何らかの化学兵器で殺されたと結論し、軍事行動を検討している。今週国連調査団が、攻撃があったとされるダマスカス近くで生存者に聞き取り調査を行い検体を集めている。ビデオなどから神経ガスであるサリンが使われたことが疑われている。
Q:なぜマスタードガスのような他の化学兵器ではなくサリンを疑うのか
A:皮膚傷害がないことがマスタードガスではないことを示唆する。VXよりサリンが疑われているのはVXガスの方が揮発性が低く、残留して兵士にも影響するだろうからである。混合物が使われたという予想もあり分析が難しいかもしれない。
Q:国連調査団はシリアで何を集めているのか?
A:爆弾の破片を探している。被害者の聞き取りと血中アセチルコリンエステラーゼの測定も行うだろう。サリンは速やかに分解されるので直接的証拠を得るのは困難かもしれない。水と反応した加水分解産物イソプロピルメチルホスホン酸は半減期サリンより長いのでまだみつかるかもしれない。
Q:検査はどこで行われるのか?
A:最初は携帯型の機器で。検体はハーグのOPCWセンターに送られる。
Q:どのくらいかかるのか?
A:検体が実験室に到着すれば分析には最大15日。最終報告書は数週間。

  • 携帯電話の使用と脳腫瘍及びその他のがん:前向き研究

Mobile phone use and risk of brain neoplasms and other cancers: prospective study
Victoria S Benson et al.,
International Journal of Epidemiology
Volume 42, Issue 3. 792-802.
http://ije.oxfordjournals.org/content/42/3/792.abstract?sid=14480229-0bd5-41e7-8c8c-27e5f66ab5bd
英国前向きコホートミリオンウーマンスタディの791710人の中年女性における1999-2005年まで及び2009年の携帯電話の使用とがんの関連について検討した。7年のフォローアップで浸潤性のがんが51680、頭蓋内中枢神経系腫瘍が1261件だった。聴神経腫以外に関連は見られなかった。

  • スクールエイジの飲酒は乳がんリスクを増やす

School-age drinking increases breast cancer risk
28-Aug-2013
http://www.eurekalert.org/pub_releases/2013-08/wuso-sdi082813.php
JNCJに発表された論文によると、初潮から最初の満期妊娠までの間に1日1杯の飲酒は乳がんリスクを13%増やす。ビール1本、ワインあるいはリキュール1杯ごとに増殖性良性乳腺疾患が15%増加する。若い女性は飲酒量を減らすべきである。