食品安全情報blog過去記事

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19 September 2013の議題

http://www.iacoc.org.uk/meetings/documents/19thSeptember2013COCAgenda_001.pdf
・アルコールとがんのリスク
Proposed strategy for discussion of Alcohol and Cancer Risk
http://www.iacoc.org.uk/papers/documents/CC1311COCStrategypaperforalcoholandcancer.pdf
背景:保健省が2014年1月にアルコールのガイドラインを発表する予定で、COCにアルコールとがんについてのレビューを求めている。COCは1995年にアルコール飲料の発がん性についてレビューし、2004年にアルコールが女性の乳がんの原因であるとみなすのが賢明であると結論している。英国の飲酒量が週に1ユニット以下に抑制できれば、約6%(3.2-8.8%のあいだ)の乳がんが予防できるだろう。COCは1995年に食道がんとアルコールの定量的用量反応関係について検討したが閾値を設定することはできなかった。2005年には新しくレビューを行い、1日30g以上でリスク増加が明白であるがリスク増加が確認できない用量は同定できなかった。その後の文献もあわせて立場を明確にすることが求められている。
・表紙 G05ガイダンスの最初のドラフト:発がん性用量反応の出発点の定義と強さの推定
Covering Paper
First Draft of COC Guidance Statement G05: Defining a Point of Departure and
Potency Estimates in Carcinogenic Dose Response
http://www.iacoc.org.uk/papers/documents/CC1310CoveringPaperG05PointsofDepartureFinal.pdf
COCの2004版ガイダンスに基づき、近年のPOD(出発点)にBMD(ベンチマーク用量)を用いることと毒性データが少ない化合物についてのリスクの可能性の少ない濃度を同定するためのTTCアプローチを取り入れた。近年のリスク評価にpける最も大きな変化はCOCガイダンスG06で対応している、遺伝毒性発がん物質に暴露マージン(MOE)アプローチを導入したことである。MOEの計算のためにEFSAやJECFAはBMDをPODとして使うのが望ましいとして採用した。共通の測定方法を用いることにより遺伝毒性発がん物質を比較、つまり優先順位を決定することができる。このガイダンスG05ではBMDの方法論について概説する。
COCのG05ではPODとしてT25も扱っていて、EFSAは2005年にBMDモデルが不可能な場合はT25が使用できるとしたが2010年にBenfordらが支持できないとした。COCのG06の議論において、T25よりBMDL10のほうが優れていると考えた。またTD50についても強さを推定するものとして検討している。
閾値のある非遺伝毒性発がん物質については、BMDの方が好ましいもののNOAELもPODとして使用できる。2004年時点ではTTCは比較的新しい概念であったが、その後文献も増えTTCがガイダンスに含まれるべきであることに合意できた。
ガイダンス案本文
http://www.iacoc.org.uk/papers/documents/CC1310AnnexAG05PointsofDepartureandPotencyEstimatesdraftfinal.pdf

・遺伝毒性発がん物質の暴露マージン解釈についてのFSAの研究プロジェクト
FOOD STANDARDS AGENCY FUNDED RESEARCH PROJECT ON INTERPRETATION OF MARGINS OF EXPOSURE FOR GENOTOXIC CARCINOGENS (T01051)
http://www.iacoc.org.uk/papers/documents/CC139T01051MOEsCOCSeptember2013final.pdf

・ビタミンEと前立腺がんリスク
http://www.iacoc.org.uk/papers/documents/CC138VitaminEandtheriskofprostatecancer-StatementJuly2013.pdf
SELECT研究で用いられたプラセボが大豆油で、これに含まれるガンマ及びデルタトコフェロールは前立腺がんに対する活性があるので研究結果の解釈に問題がある

・土壌中汚染物質の新しいスクリーニングレベルの開発
The Development of New Screening Levels for Contaminants in Soil
http://www.iacoc.org.uk/papers/documents/CC137ContaminatedlandCategory4screeninglevelsC4SLs.pdf
COTがこのプロジェクトのための新しい用語「毒性学的懸念が低いLLTC」について、2008年にDefraが最小限のリスク(minimal risk)として述べている過剰生涯発がんリスク(ELCR)10万中1を使うのが適当かどうかについて尋ねられた。COTは、10万中1の過剰リスクに相当する暴露量が科学的に導出できないので、BMDを用いたMOEを検討する必要があるとした。さらにELCRは国際的に使用されているものである無視できないともした。しかしながら許容できるリスクを定義するのはリスク管理の仕事である。そのためCOCに助言が求められた。
カドミウム、ベンゾ[a]ピレン、鉛、6価クロムヒ素ベンゼンなどについて