食品安全情報blog過去記事

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その他

  • 妊娠中の母親をまた不必要にBPAを怖がらせる

ACSH
Another unnecessary BPA scare for expectant moms
October 15, 2013
http://acsh.org/2013/10/another-way-to-scare-expectant-moms/
米国生殖医療学会で発表された予備的研究妊娠中の母親をが怖がらせている。Dr. Ruth Lathiらは不妊や流産の経験のある115人の妊婦について妊娠初期に血液を採取しBPAを測定した。そのうち68人が流産し子どもを産んだのは47人である。解析の結果BPA濃度が上位25パーセンタイルの女性の流産リスクが下位25パーセンタイルに比べて80%高かった。研究者らはこれをもとに缶詰食品を食べないことやレシートに触らないことなどを薦めている。これは小規模で流産歴があるというバイアスのある集団での研究で、もし100の他の化合物を調べたら他にも妊婦を怖がらせる材料は見つかるだろう。

  • これらのスーパーフルーツはそんなに素晴らしいの?

Are These Superfruits So Super?
by Berkeley Wellness | October 15, 2013
http://www.berkeleywellness.com/healthy-eating/food/article/are-these-superfruits-so-super
ザクロ、アサイーマンゴスチン、ノニ、クコなどはもう古い。今年は以下の4つが最新「スーパーフルーツ」として声高に抗酸化物質の摂取源として主張されている。もしあなたが宣伝販売者を信じるなら、これらを食べたりサプリメントを摂ったりすれば心疾患、高血圧、がん、糖尿病、肺気腫、関節炎、鬱、皮膚障害、骨粗鬆症、痔などのあらゆる病気を予防したり治療したりできる。我々が考えるのはこうだ:
バオバブ
西アフリカの木の実の線維を乾燥させたものが販売されている。この繊維にはビタミンCが多く可溶性繊維、カリウム、カルシウムが多い。この木の実は伝統的にマラリアや発熱、下痢、アレルギー、炎症治療に用いられてきたが、1997年に乳児の下痢への使用についてセネガルの雑誌に発表されて以来、発表されたヒトでの研究はない。
カムカム
アマゾン熱帯雨林のブッシュ由来の赤いベリーでビタミンCが多い。アントシアニン、ケルセチンなどの抗酸化物質も多い。2008年の小規模試験で1週間ジュースを飲んだ喫煙者の心血管疾患に関連する炎症マーカーなどがビタミンCのみを使用したヒトより有意に減少したという報告があるが、これは実際にカムカムが心疾患を予防することを意味しない。そしてもちろん、禁煙の方がはるかに良い。
チョークベリー
この濃い紫色のベリーは米国やカナダの低木に由来する。ジャムやジュースやワインに使われている。アントシアニン、ケルセチン、クロロゲン酸、その他抗酸化物質が多い。ネイティブアメリカンが風邪などの治療用に使用してきた。2007年のポーランドの研究で6週間ジュースを飲んだ男性のコレステロールと血圧に改善が見られたという報告があるが2010年のレビューでは、チョークベリーに期待はできるものの研究の質が低く、薦める前にもっとしっかりした研究が必要と結論している。
Maquiベリー
チリワインベリーともよばれ、この紫色のベリーには特にデルフィニジンとよばれる抗酸化物質が多い。チリのMapucheインディアンが伝統的に強壮用や下痢・発熱などの治療用に使用してきた。しかし臨床試験はない。
スーパーフルーツのスーパーマーケティング
これらの果物が育つ世界の地域では、原住民がそれらを重要な食品や伝統薬として尊重してきた。そのような伝統的使用を認めないわけではないが、市販品の宣伝文句のほとんどには発表された研究は存在しない。そして研究があるものについては質が低い。これらの果物に抗酸化物質やその他の成分が多いとしても、それがよく食べるクランベリーやブルーベリーやいちごより健康に良いという根拠にはならない。それらはエキゾチックに聞こえるかもしれないが、魔法ではない。
もちろん多様な果物、特に色の付いた、を食べることはいつでも良いことだ。だからその果物が好きで、高い値段を払うことを気にしないのであれば気分を変えるために食べることはできる。しかしジュースや抽出物はいらないだろう。
我々はサプリメントは薦めない。メリットは証明されていない。リスクは不明で品質はほとんど監視されていない。FTCは最近アサイーサプリメントのインチキ宣伝について取り締まった。
「スーパーリーフ」モリンガについても同様。