食品安全情報blog過去記事

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その他

  • カナダ高血圧協会は新しいナトリウム助言を発表

HYPERTENSION CANADA RELEASES NEW SODIUM RECOMMENDATIONS
https://www.hypertension.ca/images/TTTSession_Workshop/PressRelease_Oct172013_EN.pdf
現在の助言は、14-50才までは1日1500mg、51-70才は1300 mg、70才以上は1200mgとなっている。この値を少し上げ、2000mg/日(塩で5gほど)にすることになった。
ほとんどのカナダ人は上限を超えていて平均摂取量は3400 mg/日である。
(緩めたと言っているが十分厳しい)

Calcium Supplements and Fracture Prevention
Douglas C. Bauer, M.D.
N Engl J Med 2013; 369:1537-1543October 17, 2013
http://www.nejm.org/doi/full/10.1056/NEJMcp1210380
臨床
62才の健康な女性が定期健康診断にやってきて、本人は骨折経験はないが母親が72才の時に腰部骨折しているため骨粗鬆症を心配していた。彼女が54才で閉経してから薬局で購入した炭酸カルシウムを1日3回1000 mg摂っていて、それによりカルシウム元素の摂取量は1日1200mgになる。彼女は野菜や果物の多い健康的食生活をしていて低脂肪ヨーグルト8オンスと低脂肪乳コップ1杯は毎日摂っている。彼女は最近カルシウムサプリメントが心血管系疾患のリスクを高くするという話を聞いて医師の助言を求めた。あなたならどう助言する?
重要なポイントは
・カルシウムの推奨摂取量は50才以上の女性と70才以上の男性で1日1200 mgその他は1000mg。2500mg以上摂ることは避けるべき。
・適切なカルシウム摂取は全ての年齢層で骨格の健康のために重要である。不適切な摂取量であるヒトは多い。
・カルシウムの摂取は、カルシウムの多い食品を摂ることによるのが望ましい。普通の成人にカルシウムサプリメントの摂取を薦める根拠はなく、食事が不適切な場合にのみ検討すべきである。
・カルシウムサプリメントの副作用は極めて少ないが便秘やおなかの張りはよくあり、希に腎結石が生じる
・最近の研究でカルシウムサプリメントの使用により心血管系リスクが増加するという懸念が提示されたがこの知見は一貫性が無く結論できない。
結論としてはこの患者には食事からカルシウムを摂るべきでサプリはやめるよう助言。もしサプリがやめられないなら量を減らすように。
(食事からカルシウムの摂取量を計算して助言している)

  • 再現性イニシアチブが50の重要ながん研究の妥当性を評価するために130万ドルの資金を得た

Reproducibility Initiative Receives $1.3M Grant to Validate 50 Landmark Cancer Studies
October 16, 2013
http://centerforopenscience.org/pr/2013-10-16/
2010-2012年に著名雑誌に発表された重要ながん生物学の研究の再現性を確認する
このイニシアチブはいくつかの著名な科学雑誌と団体が昨年、70%以上の論文として発表されているがん研究が再現できないため有効な新薬の開発が遅れているという製薬会社からの告発により始められたものである。再現性イニシアチブは既に市販の数千の抗体を評価する努力を抗体オンラインと協力して
開始している

  • 肥満手術対象者の全原因による死亡を予想する簡単なルール

A Simple Prediction Rule for All-Cause Mortality in a Cohort Eligible for Bariatric Surgery
Raj S. Padwal, et al.,
JAMA Surg. Published online October 16, 2013
http://archsurg.jamanetwork.com/article.aspx?articleid=1756249#soi130096t3
18-65才の15394人の1988-1998年に肥満手術基準を満たしている(BMI 35以上あるいはBMIが30-34.9で肥満関連の疾患がある)人たちの、10年間の死亡率を検討した。
平均年齢46.9才、BMI 36.5、63.2%が女性で死亡は2.1%。死亡率を予測する因子は年齢、性別、喫煙、糖尿病で、BMIは重要な予想因子ではなかった。