New Report Recommends Data-Driven Approach Over Default Practices for Assessing Multiple Health Effects of Inorganic Arsenic
Nov. 7, 2013
http://www8.nationalacademies.org/onpinews/newsitem.aspx?RecordID=18594
EPAが無機ヒ素の経口暴露による健康影響評価を行う方法について記述した計画案は、最良の根拠に基づく結論を導き出すためにこの化合物についてのしっかりしたデータをもっと利用すべきだ、とNRCの新しい報告書は言う。EPAの評価計画案はエビデンスの評価と解析にこれまでより改善されたアプローチを取り入れているものの、NRCはEPAが現在デフォルトで採用しているリスク推定方法を超えた別の統計的アプローチを薦める。
EPAのIRIS評価は、各種化学物質による有害健康影響について疾患のハザードを同定し関連を評価している。EPAはNRCに無機ヒ素のIRIS評価計画案のレビューと、無機ヒ素の経口暴露による健康影響を評価するための重要な科学的課題について評価することを依頼した。新しいNRC報告書ではIRIS評価においてこれらの問題をどう取り扱うかについての助言を提供し、2番目の報告書ではEPAが2014年に行う予定のIRIS評価案をレビューする。
EPAのIRIS評価計画案では異なる有害影響を根拠の確からしさから分類する枠組みなどを含む。NRCの委員会はこのアプローチには概ね合意し、これらの健康影響の優先順位付けの出発点を提案した。報告書では肺がん、皮膚がん、膀胱がん、虚血性心疾患、皮膚傷害を優先的評価課題とし、次に前立腺がん、腎臓がん、糖尿病、非悪性呼吸器疾患、妊娠への影響、免疫影響とした。
無機ヒ素に因果関係の根拠があるあるいは可能性の高い有害健康影響については、EPAは作用機序解析を行う。これらの結果は用量−反応解析に用いる。これまでがんのみをエンドポイントとしてきたこととは異なるこの計画についてもNRCは支持する。
古い疫学データの多くは比較的高濃度の無機ヒ素暴露集団についてのものであるが、NRCはより低濃度の暴露についても注目すべきと考える。EPAの評価の重点目標は低濃度暴露でのリスクにおくべきである。評価においてはバックグラウンド近傍の暴露量でのデータに集中して適切な用量反応モデルを作るのが重要である。
がんについても非がん影響についても適切な疫学的根拠に基づいたリスク推定とリスク特異的用量−一定のリスクと関連する暴露量−を導出することを薦める。低用量ではモデルを作るのに適切なデータがない場合には低用量への外挿が必要になるだろう。EPAはデフォルトのアプローチとして直線外挿を提案している。NRCはそうではなくデータに基づいた方法を主張する−モデルが観察されたデータに一致する場合には観察できる限界を超えて外挿する。外挿の正確性を改善しリスク推定の信頼性を増すためにはデータに複数モデルを当てはめるのが役に立つかもしれない。
またNRC委員会は無機ヒ素への感受性に影響する可能性のあるいくつかの要因を同定した。暴露されるライフステージ、遺伝要因、性、栄養欠乏、健康状態、喫煙、飲酒、その他化合物暴露などである。これらの感受性要因に関する根拠の程度に応じて、用量反応解析を集団にあてはめるかあるいは感受性集団ごとに別々に行うかを考慮すべきである。特に人生の初期の暴露による後期影響を検討すべきである。EPAの現在のアプローチは暴露時期に関係なく年数を割り当てているがこれを再検討する必要がある。
この助言はEPAの無機ヒ素の評価についてのもので他の化合物には当てはまらないかもしれない。また経口暴露によるもので吸入や経皮暴露は考慮していない。
報告書
Critical Aspects of EPA's IRIS Assessment of Inorganic Arsenic:
Interim Report (2013)
http://www.nap.edu/catalog.php?record_id=18594
概要
http://dels.nas.edu/resources/static-assets/materials-based-on-reports/reports-in-brief/inorganic-arsenic-final.pdf
（EPAは単純に不確実係数と直線外挿で今の10倍とかにしそうだったので・・NRC勧告を受け入れればそこまではいかないかな？）
