食品安全情報blog過去記事

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EFSAはビタミンCとマンガンの摂取基準値を発表

EFSA publishes reference values for intake of vitamin C and manganese
4 November 2013
http://www.efsa.europa.eu/en/press/news/131104.htm
EFSAは現在進行中の食事摂取基準(DRVs)についての作業の一部として、ビタミンCの集団基準摂取量とマンガンの適正摂取量を定めた。欧州委員会の求めにより、新しい科学的根拠と最近の国家及び国際レベルで発表された勧告を考慮して、EFSAは先に発表した助言を更新した。

  • ビタミンCの食事摂取基準についての科学的意見

Scientific Opinion on Dietary Reference Values for vitamin C
EFSA Journal 2013;11(11):3418 [68 pp.]. 04 November 2013
http://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/3418.htm
欧州委員会の要求に従って、食品・栄養・アレルギーに関する科学パネル(NDA)はビタミンCの食事摂取基準(DRVs)を導出した。ビタミンC状態の指標から平均必要量(AR)が、変動係数を10%として集団基準摂取量(PRI)が導出できると結論した。ビタミンCの摂取に関するいくつかの健康影響も検討したが食事摂取基準を設定制定するにはデータが不十分であった。健康な成人にとって平均必要量(AR)は、ビタミンCの代謝による喪失を埋め合わせ、空腹時の血漿アスコルビン酸濃度約50μmol/Lで示される十分な体内貯蔵量を維持できる量によって決まる。男性では、ビタミンCのAR は90mg/日、PRI は110 mg/日が提案される。女性の代謝損失値はデータがないので、参照体重の差に基づいて男性のARから外挿法によって推定し、ARは80mg/日、PRIは95mg/日を提案した。7-11か月の乳児については、前回の評価から新たな根拠が出ていないので、食品科学委員会(SCF)(1993)が設定したPRI20 mg/日を維持する。子どもと青年は、ビタミンCのARは参照体重の差を考慮して成人のARから外挿して、PRIは1~3歳の子どもには20 mg/日、15~17歳の少年と少女にはそれぞれ100 及び90 mg/日が導き出された。妊婦と授乳中の女性には、妊娠も授乳もしていない女性のPRIにそれぞれ10 mg/日、60 mg/日を加える。

  • マンガンの食事摂取基準についての科学的意見

Scientific Opinion on Dietary Reference Values for manganese
EFSA Journal 2013;11(11):3419 [44 pp.]. 04 November 2013
http://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/3419.htm
欧州委員会の要求に従い、食品・栄養・アレルギーに関する科学パネル(NDA)はマンガンの食事摂取基準(DRVs)を導出した。マンガンアミノ酸、脂質、炭水化物代謝に関与する多数の金属酵素の構成要素である必須食事ミネラルである。特定のマンガン欠乏症候群はヒトでは知られていない。腸での吸収効率と胆汁経由で排出される量の両方を調整することで広範囲にわたるマンガン摂取量に人体は適合できる。信頼でき、妥当性を検証されたマンガン摂取量や状態のバイオマーカーはなく、健康影響とマンガン摂取量のデータはマンガンの食事摂取基準として利用できない。平均必要量(AR)、集団基準摂取量(PRI)を導出するための利用可能な根拠が不十分なので、適正摂取量(AI)を提案した。EUでの成人のマンガンの平均摂取量は約3 mg/日である。更に、2.5 mg/日以上のマンガン摂取量では一貫して影響はないあるいはポジティブである。妊婦や授乳中の女性も含め、AI 3 mg/日を成人に提案した。7~11か月の乳児には、この年齢グループにとって十分だと思われるマンガン摂取の範囲を反映してAI 0.02–0.5 mg/日を提案した。子供と青年のAIは基準体重を用いて、成人のAIから外挿した。