食品安全情報blog過去記事

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科学的意見をわかりやすく

Easy to read summaries of scientific opinions
http://ec.europa.eu/health/scientific_committees/policy/opinions_plain_language/index_en.htm
歯科用アマルガムの水銀
http://ec.europa.eu/health/scientific_committees/docs/citizens_dental_amalgam_en.pdf
歯科用アマルガムは水銀と銀の合金で、その優れた物理的性質と耐久性から、虫歯の治療に150年以上使われてきた。EUでは塩素アルカリ産業に次いで2番目に大きい水銀の使用源である。見た目や健康への懸念主張から代用物質の使用が増えている。
歯科用アマルガムの使用による環境中への水銀放出はどのくらいか?
歯科用アマルガムからの水銀の放出は、その製造や歯から取り外して廃棄するときにおこる。歯を治療したヒトが葬られたときにもおこる。ヨーロッパではヒトの活動による環境中への水銀放出は2010年1年で約140トンで、火山活動や森林火災などの自然による放出が約90トンと推定されている。歯科用は約20トンと推定されている。
歯科用アマルガムの使用により放出された水銀は環境リスクとなるか?
現時点では情報は十分ではないが、結論できることはある。一般的にヨーロッパの地表水に歯科用アマルガムはリスクとはならないが、歯科医密度が高く水銀の使用量が多く分離装置がない等の条件では環境基準を超過する地域もある。土壌や大気についてはデータ不足。
環境中に存在する水銀はヒト健康リスクとなるか?
環境中水銀は食品や水や大気を経由してヒトが取り込む可能性がある。しかし歯科用アマルガム由来の水銀は総量の一部でしかない。一部の水銀はメチル化されてフードチェーンに蓄積し、魚を食べることでヒト健康問題を引き起こす可能性はある。しかしながらEUの食品規制では許容量を超えた食品は排除される。