食品安全情報blog過去記事

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Lancetから

  • エディトリアル 子どもの重症急性栄養不良の世界的危機

The global crisis of severe acute malnutrition in children
Volume 382, Issue 9908, 7–13 December 2013, Pages 1858
2011年に世界で5才以下の1900万人が重症急性栄養不良で、その多くはアフリカと東南アジアである。さらにこの年代の全ての死因のうち7%以上が重症急性栄養不良による。

  • シリアの女性への暴力

Violence against women in Syria
Volume 382, Issue 9908, 7–13 December 2013, Pages 1858
先週Euro-Mediterranean Human Rights Network が報告書Violence against Women, Bleeding Wound in the Syrian Conflictを発表した

  • 健康への投資:何故、何を、そして3つの考え

Investing in health: why, what, and three reflections
Richard Horton, Selina Lo
Volume 382, Issue 9908, 7–13 December 2013, Pages 1859–1861
(グローバルヘルス関係論文や記事多数)

  • Bhopal研究は「失われた機会」を示す

Bhopal study represents “missed opportunity”
Volume 382, Issue 9908, 7–13 December 2013, Pages 1870
Bhopalの化学惨事の疫学研究は、このコホートの大部分がフォローアップできていないことを報告した。Dinesh C Sharmaが報告する。
1984年12月3日にBhopalでおこった世界最悪の化学環境事故は、農薬工場からのメチルイソシアネート(MIC)等の漏出で数千人を殺しさらに数千人を病気にした。生存者は何年にも渡って後遺症に苦しんだ。この事故はMICのヒトへの長期影響を調べる機会になったが、インド医学評議会(ICMR)による最新の報告書によるとその機会は永遠に失われたようだ。1985年にICMRはGandhi 医科大学にBhopalガス惨事研究センターを作りたくさんの研究を開始した。ガス暴露群80021人とこの地域の非暴露対照群15931人を登録したが2010年に追跡できたのは暴露群16860と対照5741人のみで25年間で暴露群の79%、対照群の64%が失われた。

  • 新たな流行の危険性−ペシミズム

Offline: The dangers of a new epidemic—pessimism
Richard Horton
Volume 382, Issue 9908, 7–13 December 2013, Pages 1868
公衆衛生の研究者には黙っている・主張する・行動するという選択肢がある。やるべきことは明白である。しかし政策決定における科学の重要性を強調するどころか逆に科学がいかに信頼できないかを示すのに一生懸命な科学者コミュニティがあるようだ。彼らは政策に科学を用いるのは問題があり、科学が完全ではないことを強調する。もちろん科学が世界の全ての問題を解決することはできない。しかし科学以上に政策決定に役立つものがあるだろうか?決して過剰な主張をしてはならないが過小評価してもいけない。我々に必要なのは「健康な懐疑主義」である。